MOPA型 ファイバーレーザーマーカー | 光響
LMS-MPIR20

MOPA型 ファイバーレーザーマーカーは、繰り返し周波数、パルス幅を詳細に制御することで、プラスチック素材への精密マーキングや金属素材(ステンレス、チタン等)へのカラー印字が可能な製品です。パルス幅を2 ns ~ 350 nsの間で設定する事により、0.001 mjから0.005 mjまでパルスエネルギーを可変できます。これにより、プラスチック素材には溶融や発泡を抑えた精密なマーキングを、金属材料にはレーザー照射で形成される金属酸化被膜をナノメーター単位で膜厚変化させ、表現力豊かなカラー加工が実現可能となります。家庭用コンセントで動作、ランニングコストは電気代のみという利便性の高さは弊社製ファイバーレーザーマーカー同様です。

特徴

  • 既存のMOPA製品に比べ高いコストパフォーマンス
  • 金属や樹脂などへのマーキングが可能
  • パラメータを可変してコントラストの微調整が可能
  • お客様によるカスタムが可能
  • 最大ワークエリア 600 mm × 600 mm
  • 最小線幅 約 20 μm
  • ガルバノスキャナーミラーにより高速マーキングが可能
  • ランニングコストは電気代のみ
  • インクマーキングのように字が薄くなったり剥がれたりしない
  • 非接触なため材料の変形はなし
  • AC100Vの家庭コンセントでの使用が可能
  • 空冷

レーザーマーカー製品の使用にはPCのご準備が必要です。
※オプションでPCを購入いただけます。


MOPA型ファイバーレーザーマーカー製品の仕様

レーザー発振波長 1064 nm
レーザー最大平均出力(可変) 20W
レーザー最大ピーク出力 >10 kW
最大照射エリア 600 mm × 600 mm
*焦点距離813 mmのレンズを選択した場合
※レンズ変更により可変
最大スキャン速度 6 m/s (f=160 mmレンズでの参考値になります)
fθレンズの焦点距離 100, 160, 210, 254, 290, 330, 420, 650, 779 mmから選択可能
*標準レンズは290 mm
ファイバー長 約2 m
外形寸法(本体) W500 mm × H950 mm × D650 mm
重量(本体)
備考

用途・アプリケーション例

  • プラスチックの溶融や発泡を抑えた精密なマーキング
  • 金属素材(ステンレス、チタン等)のカラーマーキング
  • 均一なマーキング
オートメーションマーキング ※イメージ図です

レーザーマーカーと従来のマーキング技術との比較

従来のマーキング技術として、刻印・スタンプ押し、ラベル貼り、インク印字があります。
従来技術と比較したレーザーマーカーの特長は

  • メンテナンス不要
  • 消耗品なし
  • 半永久的に消えない印字が可能
  • 文字の変更が可能
  • 非接触でマーキングが可能
  • 印字の度合いを調整可能
関連リンク

加工もできるマーカー機能付き100Wレーザーエングレービング
マーカー機能付き100Wレーザーエングレービングページ

本製品
LMS-MPIR20
従来製品
お客様によるカスタム可能
レーザー出力 20W 20W
冷却方式 空冷 空冷
電源コンセント AC100 V(家庭コンセント) 200 V?
fθレンズの選択 f=100, 160, 210, 254, 290, 330, 420, 650, 779 mmから選択可能 1 or 2種類のみ
ワークエリア 600 mm × 600 mm
※f=813 mmのレンズの場合
100 mm×100 mm?
最小線幅
スポット径(理論値)
約20 μm
※f=100 mmのレンズの場合
30 μm?
ファイバー長 約2 m 約2 m?
自作 (ご要望に応じて)可能 不可

加工サンプル

素材:ステンレスのカラーマーキング

素材:チタンのカラーマーキング

猫のパラパラアニメーションを作ってみた

金属素材のカラーマーキングに対する評価試験結果

mopa_sus
評価試験前

mopa_sus
評価試験後

評価試験の内容 結果
オートクレーヴによる高圧水蒸気滅菌
(123℃ 60分 × 1回)
異常なし
超音波洗浄(水中で10分) 異常なし
134℃ 60分 × 4回 異常なし
超音波洗浄(水中で10分) 異常なし
有機溶媒での洗浄 異常なし
家庭用スポンジでの洗浄 A列のBとCの部分が若干剥がれた

インプラントの滅菌プレートにカラーマーキングを使用できるか否かの評価試験を行い、以下のような結果を得ることができた。

オートクレーヴによる123℃の高圧水蒸気滅菌を10分間行ったところ異常はみられなかった。また、水中での10分間の超音波洗浄、134℃の水温で60分間の洗浄を4回行ったところ、異常は見られなかった。再度、水中で10分間の超音波洗浄を行ったところ異常は見られなかった。さらに、有機溶媒による洗浄を行ったところ、異常は見られなかった。以上より、1〜5の評価試験では非常に良い特性を具えていたことがわかった。
しかし、家庭用スポンジでの洗浄においては被膜が薄いことから、A列B,Cで若干の剥がれが見られたため、物理的な力には弱いことが分かった。
以上の結果により、滅菌については全体的に高評価な結果となったが、洗浄時の取り扱いを徹底しなければ薄膜が剥離する可能性があることが分かった。

より詳細な用途例はこちら

ファイバーレーザーマーカー使用動画

各種レーザーマーキング可能な材質の一覧表

MOPA型ファイバーレーザーマーカーの構成

ファイバーレーザーマーカーは、以下の内容で構成されております。

  • レーザー光源
  • ガルバノスキャナーミラー
  • fθレンズ
  • マーキングソフト

マーキングソフトは、日本語やバーコード入力、CADや写真等も直接取り込むことができます。

MOPA型ファイバーレーザーマーカーの構成MOPA型ファイバーレーザーマーカーの構成

付属品

本ファイバーレーザーマーカーには下記が含まれております。

  • MOPA型ファイバーレーザーマーカー本体一式(パソコン含まず)
  • f=290の標準レンズ1個
  • レーザーヘッド固定用フレーム

パソコン接続・ソフト操作性

本製品はUSBインターフェースでWindowsパソコン(Win10)と接続して制御を行います。
ソフトウェアでは、

  • TrueType、SHX(AutoCADフォント)、DMF(ドットマトリックスフォント)、1次元バーコードなどのフォント形式
  • bmp、jpg、gif、tga、png、tifなどの画像形式
  • ai、dxf、dst、pltなどのベクターファイル、に対応します。

※ フォントはパソコンに導入されている環境に異なります。
※ ai:Adobe社 イラストレーターによるベクター形式ファイル。
※ dxf・dst:Autodesk社 AutoCADによるベクター形式ファイル並びにシートセットベクター形式ファイル。
※ plt:HPGL(Hewlett Packard Graphics Language)のベクター形式ファイル。

テキスト入力以外にも図形の追加、編集が可能。

soft01
soft02

画像は色調反転、グレイスケール、ディザ処理が可能。

ペイント編集
画像装飾

fθレンズの焦点距離の選択

fθレンズの焦点距離は、100 mm, 160 mm, 210 mm, 254 mm, 290 mm, 330 mm, 420 mm, 650 mm, 779 mmから選択することができます。

レンズの焦点距離が長いほど、ワークエリアは大きくなります。
ワークエリアとレンズの焦点距離の関係性 ワークエリアとレンズの焦点距離の関係性
レンズ交換図_FLワークエリアとレンズの焦点距離の関係性
レンズの焦点距離が短いほど、スポット径は小さくなります。
スポット径とレンズの焦点距離の関係性 スポット径とレンズの焦点距離の関係性
レンズ交換図_焦点距離スポット径とレンズの焦点距離の関係性

MOPAによるカラーマーキングの原理

レーザー照射条件(パルス幅・繰り返し周波数・パワー)を制御し、素材の金属酸化被膜の厚みを調整することで、コントラストの調整、カラーマーキングが行えます。

  • 参照1:レーザープロセシング応用便覧 – 第4章 マクロレーザープロセシング – 12. その他の表面改質・加工実用例 – 8. レーザー着色
  • 参照2:主発振器出力増幅器(MOPA)
  • 参照3:Nanosecond laser coloration on stainless steel surface(リンク切れ)

MOPA型ファイバーレーザーマーカーオプション

本MOPA型ファイバーレーザーマーカーとは別に下記も購入することができます。

レンズ

  • f=100のレンズ
  • f=160のレンズ
  • f=210のレンズ
  • f=254のレンズ
  • f=290のレンズ
  • f=330のレンズ
  • f=420のレンズ
  • f=650のレンズ
  • f=779のレンズ
その他

※1ふたを取らずにレーザーを射出し、ふたに穴を空けてしまうケースがございます

ご利用実績

  • 真空バルブ、ラプチャーディスク(破裂板)製造メーカー
  • 金属加工メーカー(レーザー彫刻メモリアルプレートサービス)
  • オーダーメイド楽器製作会社
  • オリジナルアクセサリー製作会社
  • 琥珀ジュエリー、アクセサリー制作会社

よくあるご質問及び弊社回答

製品本体以外にパソコン等は必要でしょうか?
マーキングソフトはパソコンを使用しますので別途必要です。なお、Win10で動作確認を行っております。
【パソコンスペック目安】
OS:windows10 64bit
CPU:インテル core-i シリーズ
ROMメモリ:4GB
USB:3ポート(UVレーザーの場合 装置との接続に2ポート使用します)
2ポート(ファイバーレーザーの場合 装置との接続に1ポート使用します)
客先より、いつもAIやPDF等でデータをもらいますが、それらをデータ変換するソフト等はあるでしょうか?
AI,dxf等のベクトルファイルに対応しております。ただ、バージョンにより非対応の場合があります。
その場合にはビットマップ形式に変換してのご使用を推奨しております。なお、オープンソフトで変換してご使用頂いても、問題はございません。
製品購入時の配送、設置、操作方法の説明等は、御社(光響)で行ってもらえるのでしょうか?
お届け後の組み立て及び設置はお客様にて行って頂き、装置設置後にはオンラインのリモート講習にて基本的な操作方法と安全面についてのご案内を行っております。(リモート講習所要時間:90分程度)
装置組み立て作業は、マニュアルに沿って行って頂ければ可能な内容です。
製品購入後の操作方法の問い合わせ等は、可能でしょうか?
お気軽にお問い合わせ下さい。弊社の技術担当が対応致します。
事前にサンプル品をお渡しして、サンプルテストをして頂く事は可能でしょうか?
ファイバーレーザーマーカーの加工材質の比較表のリンク先をご覧ください。(リンク:加工材質の比較
無償と有償の区別につきましては下表をご覧ください。正式なお見積りにつきましてはお問い合わせください。

無償となる内容 有償となる内容
  • レーザーの条件出しを必要としない単なるマーキング
  • 製品の閲覧のみ
  • 左記以外
光響での使用は可能でしょうか?
可能です。お客様が、例えば自社製品へマーキングされたい場合は、最初の1時間は5万円、その後は1時間当たり2万円のお見積りになります。
生産ラインに入れることは可能でしょうか?
本製品は外部信号によるマーキング制御が可能ですが、お客様にて生産ライン設計をして頂く必要がございます。
レンタルは可能でしょうか?
弊社のレーザー製品サブスクサービスをご覧ください。

製品の保証とアフターサービスについて

保証期間

  • ご購入から1年間

アフターサービス

  • ご利用方法案内とリモート安全講習あり。
  • ご不明点等があった場合、メール、TEL、Webにてご対応致します。
  • 製品にトラブルがあった場合、センドバックサービスでご対応致します。
  • マーカー製品ご購入者に限り、特別価格でオプションレンズを追加ご購入頂けます。
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    最大400℃の耐熱温度により、レーザー装置をより安全にご利用頂けるための防護服です。
    レーザーバリアカーテン

    レーザーを使用する作業現場や研究所などで、偶発的なレーザー光の暴露から一時的に人体を保護するためのカーテンです。
    レーザークリーンブース

    レーザー光を遮光、光学素子に塵やホコリが付きにくいよう規定の清浄度レベルに管理された限定した空間を構築しレーザーの品質や安定性を保ちます。
    レーザー加工用ミラー

    特定のレーザータイプやレーザー波長に対して設計された光学用ミラーです。
    可変アテネータ

    電子信号や光などを減衰させるためのパーツです。
    メカニカルシャッター

    レーザなどのビームを遮断・開放する時に使用します。レーザーのパルスピッカー、CCD・CMOSカメラ用シャッターなど幅広い用途に使用されています。
    ビームプロファイラ

    ビームプロファイルやビーム径の測定に使用します。
    パワーメータ

    レーザー光のパワーを測定する機器です。
    50W以上のパワーメーターはご相談ください。
    Optishopで取り扱うのパワーメーターはこちら
    空間光位相変調器(LCOS-SLM)
    計算機合成ホログラム(CGH)ソフト


    CGHソフトによりLCOS-SLMを制御することで、任意のレーザービームパターンを作ることができます。
    ファイバーレーザー加工ヘッド

    加工機のレーザーヘッド改造も承ります。