FP(ファブリペロー型)レーザー

FP(ファブリペロー型)レーザーは、半導体結晶の両端面を鏡面(劈開面)とし、その間で光を往復させて増幅する、最もシンプルで標準的な構造を持つ半導体レーザーです。名前の由来は、二枚の並行な鏡で構成される「ファブリペロー干渉計」の原理を利用していることにあります。

主な特徴とメリット

  • 低コスト: 構造が単純であるため、製造プロセスが容易で安価に提供されます。
  • 高出力化が容易: 構造上の制約が少なく、高出力なマルチモードLD(レーザーダイオード)として設計しやすいのが特徴です。
  • 幅広い波長ラインナップ: 紫外(UV)から近赤外(IR)まで、多様な材料系で製品化されています。
  • 高い電気光変換効率: 効率よく電流を光に変換できるため、励起光源として最適です。
nanoplus_HPFP

画像引用:Nanoplus

FP(ファブリペロー型)レーザー|主要メーカー

励起光源 (Pump Laser)

ファイバーレーザーや固体レーザーにおいて、レーザー媒質を励起するための光源として使用されます。

一般的な照明・表示

レーザーポインター、プロジェクター、カラーディスプレイの光源です。

短距離通信

精密な波長制御を必要としない、家庭内LANや機器間接続などのデータ通信に用いられます。

医療・バイオ

レーザー脱毛、レーザー治療器、蛍光顕微鏡の光源として使用されます。

加工・はんだ付け

高出力マルチモードFPレーザーを束ねて、直接金属や樹脂の加工に使用。

選定時のチェックリスト

  • 中心波長とスペクトル幅: DFB型と異なり、温度や電流によって中心波長が数nm単位で変動(シフト)することに注意が必要です。
  • ビーム品質 (横モード):
    • シングル横モード: 綺麗に絞れるが、出力は数百mW程度まで。
    • マルチ横モード: 絞り込みには不向きだが、数W~数十Wの高出力が得られる。
  • 放熱設計: 高出力で使用する場合、発熱による波長シフトや寿命低下を防ぐため、十分なヒートシンクやペルチェ冷却が必要です。

メーカー

Wavespectrum_logo
  • 非常に幅広い波長帯とパッケージ(TO-CANからファイバー付きまで)を網羅。

Nanoplus
  • FP型でも特殊な波長帯に対応。

BOX Optronics Tech
  • 各種通信・産業用FPレーザーを提供。

RPMC Lasers
  • 豊富なカタログスペックから用途に合わせた選定が可能。