
量子コンピュータとレーザー
量子コンピュータとレーザーは、どちらも現代科学の最先端技術であり、相互に密接な関係があります。量子コンピュータは、量子力学の原理を利用して、従来のコンピュータでは困難だった複雑な計算を高速に実行するデバイスです。レーザーは、光を増幅して特定の波長で放出する技術であり、量子コンピュータの制御や計測に不可欠な役割を果たしています。主な量子コンピュータの方式を表に示します。
○ 長所・先行要素 | ☓ 短所・遅れ | 主な研究機関・グループ | |
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超伝導方式 超伝導リングの電流の向きでビットを表す。 |
・研究者も多く、進んでいる。 ・技術的扱いやすさと、スケーラビリティのバランスが良い。 |
・極低温(10mK)が必要。 ・チップサイズが大きい(0.1mm角程度)。 |
・Google、IBM、Intel、アリババなど大企業が主。 ・ベンチャーも Rigetti Computing 参戦。・日本でも主流の方式。 |
イオントラップ方式 真空中に浮かせたイオンをビットとして扱う。 |
・コヒーレンス時間が長い。 ・ビット間の長距離相互作用を作りやすい。 |
・イオン操作は精密なレーザー技術が必要で、難度が高い。 ・研究グループが少ない。 |
・アメリカのベンチャー企業IonQ が先頭。 ・取り組んでいるのは世界でも10チーム程度か。 |
光量子方式 光回路上の光パルスをピットとして扱う。 |
・コヒーレンス時間が長く、誤り訂正の規模を抑えられる。 ・室温動作が可能。 |
・複雑・精密な光回路が必要でスケーラビリティがない。(但し、最近解決しつつあり) | ・MIT、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学、カナダのXANADU社などが競合。 ・東京大学(古澤・武田)が大幅な小型化に成功。 |
シリコン方式 シリコンウェア上の28Siの電子スピンをビットとして扱う。 |
・既存の半導体技術でビットの小型化(10nm)が可能。 ・比較的高温(10K)で動作。 |
・量子もつれや演算技術が確立していない。 ・核スピン0の28Si確保が困難。 |
・インテルが28Si調達体制を確立。 ・日本でも取り組まれているが、28Si調達が最大のネック。 |
トポロジカル方式 「トポロジカル絶縁体」の表面に現れるマヨラナ粒子で計算。 |
・量子コンピュータの「デジタル版」。 ・誤り訂正がほぼ必要なし。 |
・現時点では1量子ビットもできていない。 | ・MicrosoftがStationQを設置し、UCサンタバーバラ、コペンハーゲン大学、シドニー大学、バデュー大学、デルフトエ科大学などと国際連携体制を構築。 |
量子コンピュータとレーザーは、互いに不可欠な存在であり、量子技術の発展に貢献しています。レーザー技術の進歩は、量子コンピュータの高性能化と実用化を促進し、将来的な量子コンピュータの応用を広げると期待されています。光響ではホモダインディテクタ(ホモダイン検出器)など量子コンピュータに関連する製品を多数扱っています。
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