光量子コンピュータ 開発の世界動向
(セミナーダイジェスト)
講師:武田俊太郎先生について
東京大学大学院工学系研究科准教授。OptQC株式会社顧問。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了後、分子科学研究所や東京大学古澤研究室での職を経て、2019年10月に独立し自身の研究室を主宰。専門は光量子情報処理(実験)。これまで光を用いたさまざまな量子技術の研究に関わっており、現在は独自ループ方式の光量子コンピュータ開発に取り組んでいる。主な受賞歴は、東京大学総長賞、文部科学大臣表彰若手科学者賞、Innovators Under 35 Japan、丸文学術賞など。
1.イントロダクション
【量子コンピュータとは?】
現代コンピュータが直面する物理的・構造的な限界を提示し、新しい計算原理に基づくコンピュータの必要性と産業への影響力を説明します。
【量子コンピュータの歴史】
1980年代の概念提唱から近年のIT大手による開発加速までの歩みを辿り、実用化への現状と課題について解説します。
【量子コンピュータの開発方式】
主要なハードウェア方式と各方式での主要な開発グループを紹介し、世界的な開発競争における日本の強みを説明します。
【なぜ光量子コンピュータか】
他方式にはない光量子コンピュータ特有の優位性を明かします。
2.量子コンピュータの原理と応用
【量子の性質と二重スリット実験】
ミクロな粒子である量子が不思議な挙動を示す二重スリット実験を通して、量子計算の鍵となる「重ね合わせ」と「干渉」について説明します。
【量子コンピュータの計算原理】
現代コンピュータと量子コンピュータにおける情報単位(ビット)・演算・計算の違いを説明し、量子コンピュータが正しい解を絞り込むメカニズムを解説します。
【量子コンピュータの応用分野】
材料・創薬分子の設計シミュレーションやAIの高精度・高効率化をはじめ、量子コンピュータが社会や産業に大きなインパクトを与える4つの応用分野を具体的に紹介します。
3.光量子コンピュータの方式とトレンド
【光量子コンピュータの方式】
「量子ビット(離散量)・連続量」といった情報の表現方法と、「回路型・測定型・特化型」といった計算方式を軸に、光量子コンピュータの多様なアプローチを分類・整理します。
【量子ビット(離散量)方式の原理とトレンド】
光子を用いて量子ビットを実現する方法や、量子ビット回路型方式における最大の技術的ボトルネック、量子ビット測定型方式が量子もつれを利用してボトルネックを回避する仕組みを解説します。高効率光子源のトレンドについても紹介します。
【連続量方式の原理とトレンド】
連続量方式の原理や利点、エラー課題、およびエラー訂正を可能にするGKP量子ビットや量子光源としてのスクイーズド光源の研究状況を紹介します。
【特化型方式の原理とトレンド】
ガウシアンボソンサンプリングなど特定の計算でスーパーコンピュータ越えを狙う特化型アプローチの事例や開発グループ、応用展開を紹介します。
【光回路の構成方法】
3パターンの光回路構成方法におけるトレードオフを比較し、世界の主要開発グループにおける方式を紹介します。

4.光量子コンピュータの開発動向
【世界の開発状況概観】
北米・欧州・中国・日本といった、主要開発地域ごとの開発戦略を俯瞰します。
【主要ベンチャーによる汎用マシン開発動向】
汎用マシン開発を牽引する二大ベンチャーと国内発ベンチャーの基本情報やアプローチ、最新の開発状況を詳述します。
【東大武田研の開発動向】
本セミナー講師である武田俊太郎准教授の研究室における開発動向を解説します。武田先生が発案した「独自ループ方式」の仕組みや利点、万能計算(非線形演算)実現へ向けた開発状況と課題、量子・古典ハイブリッド計算の成果を紹介します。
【光量子技術の未来・ロードマップ】
光量子技術が発展した光量子IT社会で実現が期待されるアプリケーションを説明します。
2040年に向けた段階的な開発ステップと4つの技術的課題を、武田先生が作成した内閣府の量子技術イノベーション戦略ロードマップを元に提示します。
【質疑応答】
独自ループ方式における光損失の蓄積対策や、量子コンピュータの高速性の評価方法に関する参加者との質疑応答を収録しています。

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