ホログラフィックフェムト秒レーザー加工機 Femto-pro-HGS| 光響

ホログラフィックフェムト秒レーザー加工機は、光の波面を自在に制御する先進的なホログラフィ技術を用い、収差補正による高精度な集光制御や、ビーム分岐による多点同時加工を実現します。透明材料内部への三次元加工や極微細加工にも対応し、さらに高精度ステージと連動したパルスオンデマンド制御により、等ピッチでの安定した加工が可能です。従来のレーザー加工では困難であった複雑形状や微細構造の形成を可能にし、次世代の精密加工ニーズに応える装置です。

また、本装置にはビーム形状を自在に設計できる当社製CGH(計算機合成ホログラム)ソフト「HologramMaker」を搭載しています。加工用途や目的に応じて最適なビームパターンを演算・生成し、複雑な形状や多点配置にも柔軟に対応可能です。直感的な操作性と高度な演算機能を兼ね備え、レーザー加工の可能性をさらに拡張します。

特長

  • 任意のレーザービームパターンを生成し、複雑加工も一発で実現
  • 収差補正により常に狙った位置・形状で高精度加工が可能
  • 一度の照射で複数点を同時加工
  • 多彩なパターンを、ソフトで簡単に設計・制御

本システムのベースとなるフェムト秒レーザー加工機「Femto-pro」の
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ホログラフィックフェムト秒レーザー加工機 Femto-pro

構成要素

ホログラフィックフェムト秒レーザー加工機は主にフェムト秒レーザー・計算機合成ホログラム(CGH)ソフト・LCOS-SLMの3点で構成されています。

フェムト秒レーザー
ガルバノスキャナ制御図

フェムト秒レーザーとは、超短パルスレーザーとも言われている、フェムト(1×10-15)秒という非常に短いパルス幅をもつパルスレーザーのことです。
熱影響をほとんど与えない高品質な加工が特長で、エネルギーが瞬時に作用するため、溶融やクラックを抑えた微細加工が可能です。ガラスや樹脂などの透明材料内部への三次元加工も可能な他、金属から非金属まで幅広い材料に適応し、研究開発から量産加工まで幅広い用途で活用されています。

計算機合成ホログラム(CGH)ソフト

空間位相変調器対物レンズ光学系図

CGHソフト(Computer-Generated Hologram Software)は、空間光位相変調器(Liquid Crystal on Silicon Spatial Light Modulator:LCOS-SLM)を制御することができるソフトウェアです。

当社のCGHソフト「HologramMaker」は、当社製ビームプロファイラソフト「LaseView」と組み合わせ可能なため、LCOS-SLM後のレーザービームパターンも簡便に測定評価することもできます。

LCOS-SLM
LCOS-SLMイラスト

LCOS-SLM(Liquid Crystal on Silicon – Spatial Light Modulator)は、光の位相を自由に変調する反射型の空間光位相変調器です。
複雑な波面形成や収差補正、ビーム成形・分岐など多様な光制御に対応します。電子的に表示パターンを切り替えられるため、動的かつ柔軟な光学制御が可能で、ホログラフィ、レーザー加工、研究開発から産業用途まで幅広く活用されています。

収差補正

レーザーを集光する際に生じるわずかな歪みやズレを自動で補正し、常に狙った位置・形状で加工が可能です。加工エリアの端や高さが異なる面でも、レーザーの焦点を最適に保つことで、ムラのない均一で高精度なホログラフィック加工を実現します。

球面収差補正図

球面収差補正前後

形状変化

光渦

光渦とは螺旋状の波面をもつ特殊な光のことです。
光の「ねじれ」が持つ回転力を利用した非接触で微小物体を自在に動かす「光ピンセット」や回転操作、中心部が暗いドーナツ型のビーム特性を活かした通常のレーザーでは困難な「ナノレベルの微細加工」、さらには光の回転エネルギーを物質に転写することで、針状の構造(ナノニードル)など、特殊な立体形状の一括形成するといったことも可能です。

平面波と光渦の図
光渦加工

【加工事例動画】

シリンドリカルビーム

円筒状の曲面を持つシリンドリカルレンズは、レーザーを一点ではなく「線状(ラインビーム)」に集光させることが可能です。
一方向のみを集中して加熱・切断できるため、広範囲を効率的にスキャンする表面処理や、薄膜の剥離加工に最適です。CGHソフトとLCOS-SLMを組み合わせることでシリンドリカルレンズの機能を模倣することができます。ラインの長さや向き、強度分布を自在に制御でき、複雑なパターン加工の高速化を実現します。

シリンドリカルパターン
シリンドリカルパターン

【加工事例動画】

多点加工

ビーム分岐(SLMを用いた分岐加工)

ビーム分岐機能は、1本のレーザービームをホログラフィ技術により複数のビームへ自在に分岐し、同時多点加工を可能にします。加工品質を維持したまま高効率な加工を実現し生産性の向上に大きく貢献します。さらに、均一なエネルギー分配により、複数箇所を同一条件で加工でき、微細加工や高精度加工においても安定した加工品質を提供します。

【多点化のプロファイリング動画】

【ビーム2分岐化のCGH最適化プロセス動画】

【SLMを利用した分岐プロファイル】

SLM不使用時ビームプロファイル(対物レンズx100、1/e2x=1.6um, 1/e2y=1.9um)

SLM不使用時ビームプロファイル

対物レンズ x 100
ビーム径:1/e2x = 1.6 μm, 1/e2y = 1.9 μm

SLM2点分岐プロファイル①(2点間距離〜3μm)

SLM2点分岐プロファイル①

2点間距離〜3 μm

SLM2点分岐プロファイル②(2点間距離〜5μm)

SLM2点分岐プロファイル②

2点間距離〜5 μm


【加工例①(モーションライン間スペースを埋める2点分岐を用いたGaN基板の加工)】

2点分岐を用いたGaN基板の加工 図
SLM2点分岐①
SLM2点分岐プロファイル①(2点間距離〜3μm)

レーザーパラメータ

  • パルスエネルギー 2 uJ(バーストショット)
  • 対物レンズ × 100
  • モーションパラメーター
  • ラインライン間スペース:5 μm
  • 照射パルス間ピッチ: 5 μm
  • 等ピッチPOD(パルスオンデマンド)制御を使用

【加工例②(2点分岐の重ね射ちによるサファイア基板の加工)】

重ね射ちによるサファイア基板の加工 図
SLM2点分岐②
SLM2点分岐プロファイル①(2点間距離〜5μm)
レーザーパラメータ

  • パルスエネルギー 2 uJ(バーストショット)
  • 対物レンズ × 100
  • モーションパラメーター
  • ラインライン間スペース:5 μm
  • 照射パルス間ピッチ: 5 μm
  • 等ピッチPOD(パルスオンデマンド)制御を使用

【加工事例動画】

透明体内部多点加工

CGHソフトによるLCOS-SLMの光制御により「透明体内部への精密加工」が可能です。
通常、透明体内部の集光ポイントは屈折の影響でボヤけてしまいます。しかしLCOS-SLMで光の歪みを事前に補正すれば、狙った場所へ正確にエネルギーを集中させることができます。また、一度に複数の地点を同時に加工する「多点集光」にも対応しており、圧倒的な加工スピードと精度の高さを両立します。

球面収差補正図

【ガラスの内部加工】

ガラスの内部加工 レーザーパラメータ

レーザーパラメータ

  • 対物レンズ x 100
  • パルスエネルギー 2 uJ(バーストショット)
ガラスの内部加工 モーションパラメーター

モーションパラメーター

  • ラインライン間スペース: 5 μm
  • 照射パルス間ピッチ: 5 μm
  • 等ピッチPOD(パルスオンデマンド)制御を使用

【加工事例動画】

光響製レーザー加工機ポータルページ

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