DFB / DBR レーザー
一般的な半導体レーザー(ファブリペロー型)が複数の波長で発振(多モード発振)するのに対し、DFBおよびDBRレーザーは、デバイス内部に「回折格子(グレーティング)」を組み込むことで、ただ一つの波長(単一縦モード)のみを選択的に取り出す構造を持っています。
DFB/DBRに共通する主要な特性
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高いサイドモード抑圧比 (SMSR)
メインの波長と、それ以外の不要な波長の強度の差を SMSR と呼びます。通常 30 dB~50 dB(1000倍〜10万倍差) 以上の性能を持ち、極めて純度の高い光を得られます。 -
狭い線幅 (Linewidth)
波長の広がり(スペクトル幅)が非常に狭く、数MHzから、高性能なものでは数百 kHz以下のものも存在します。これはコヒーレンス(干渉性)が高いことを意味します。 -
温度・電流による波長可変性
温度を変化させると回折格子のピッチが変わるため、波長を微調整できます。- 温度係数: 約 0.1 nm/℃ 程度(長波長帯の場合)。
画像引用:Nanoplus
DFB / DBR レーザー|主要メーカー
※本サイトでは各メーカーの一部製品のみをご紹介しています。最新情報はメーカー公式サイトにてご確認ください。気になる製品がございましたら、光響までお気軽にお問い合わせください。
DFBレーザー (Distributed Feedback Laser)
レーザーの活性層(光が増幅される場所)全体に沿って、微細な波状の回折格子を形成した構造です。
- 発振の仕組み: 回折格子が鏡の役割を果たし、特定の波長の光だけがフィードバックを受けて増幅されます。
- メリット: 非常に高い波長安定性。高速に変調(点滅)させても波長がズレにくい(低チャーピング)。
- 主な用途: 中長距離・大容量の光通信、高精度なガスセンシング。
DBRレーザー (Distributed Bragg Reflector Laser)
活性層とは別に、その前後に「反射専用の回折格子領域」を設けた構造です。
- 発振の仕組み: 活性層で発生した光が、端部にある回折格子(ブラッグ反射鏡)によって選別され、反射されます。
- メリット: 回折格子領域に電流を流すことで、発振波長を比較的広い範囲でチューニング(調整)できる。光出力と波長制御を個別に管理しやすい。
- 主な用途: 高分解能分光、原子時計、干渉計測。
選定時のチェックリスト
- 中心波長と許容誤差: ターゲットとする吸収線(ガス分析の場合)や通信規格に合致しているか。
- サイドモード抑圧比 (SMSR): ノイズとなる不要なモードが十分に抑えられているか。
- 波長可変範囲 (Tuning Range): どの程度の範囲をスキャン、または調整する必要があるか。
- パッケージ: 波長固定のために必須となる TEC(ペルチェ冷却器) が内蔵されているか(通常はバタフライパッケージやTO-CANに内蔵)。
DFB / DBR レーザーメーカー




