quDIS – 干渉計
quDIS – Interferometer

quDIS – 干渉計

quDISは、ファブリ・ペロー干渉計またはマイケルソン干渉計を利用した共焦点型変位センサーです。0.05 nm未満の高い信号安定性を実現し、干渉信号のコントラストに依存しない測定アルゴリズムを採用しています。
変位・距離測定に加え、25 kHzの帯域幅による振動解析にも対応しています。自由空間のほか、ガラスロッドや光ファイバーを共振器として使用した測定も可能です。

主な特長

  • 共焦点型変位センサー
  • 光ファイバー干渉計
  • 0.05 nm未満の信号安定性
  • 測定距離:20~1400 mm
  • 帯域幅:25 kHz
  • コントラストに依存せず、周期的な測定誤差が発生しない
  • 3軸のセンサーに対応、複数装置の使用が可能
  • 柔軟な構成が可能な光ファイバー式センサーヘッド
主な用途

  • 低速ドリフトの測定
  • 振動解析
  • 位置・角度測定
  • 速度・加速度測定
  • 品質管理
  • フェイルセーフ処理
  • 光ビーム遮断時の補正

主な用途

quDISは、高い信号安定性とコントラストに依存しない測定アルゴリズムを備えた共焦点型変位センサーです。ファブリ・ペロー干渉計またはマイケルソン干渉計として構成可能なレーザー干渉計であり、科学研究や産業分野における高精度な測定が求められるさまざまな用途に対応しています。

放射光施設におけるX線回折測定用試料の位置決め

X線結晶構造解析は、結晶の原子構造や分子構造を決定するために使用される手法です。結晶にX線を照射すると、結晶構造によって入射X線がさまざまな特定の方向に回折します。これらの回折X線の角度と強度を測定することで、結晶内部の電子密度の三次元分布を求めることができ、分子構造を特定することが可能になります。

放射光施設では、電子などの荷電粒子を非常に高速に加速し、偏向電磁石や挿入光源装置によって、一定の間隔で1回または複数回、進行方向を曲げます。この荷電粒子の加速によって発生するX線は、数十本の細いビームとして放射され、加速器に隣接するビームラインへ導かれます。放射光施設では、非常に高い強度と輝度を持つ、集光性に優れたX線ビームを生成できます。

ビームラインを通るX線は結晶試料に照射され、その結晶格子によって回折します。真空チャンバー内で試料をさまざまな角度に回転させながら、X線検出器で回折角度を測定することで、結晶構造を解析できます。

この用途では、quDIS変位センサーが固定されたセンサーヘッドと試料表面との距離を測定し、試料の位置決め角度を求めます。また、閉ループ制御システムにおいてゴニオメーターステージの動きを測定し、サブナノメートル精度での位置決めを可能にします。

図1

放射光施設では、主に電子などの荷電粒子を光速に近い速度まで加速します。これらの粒子が磁場によって進行方向と垂直な方向に加速されると、X線が発生します。このX線は波長が短いため、結晶構造解析に適しています。

図2

放射光ビームラインにおけるX線結晶構造解析用の結晶試料を高精度に位置決めするための測定構成図です。真空チャンバー内でゴニオメーターを使用して試料をさまざまな角度に回転させながら、検出器でX線の回折角度を測定します。quDISは、固定されたセンサーヘッドと試料表面との距離を測定し、ゴニオメーターと連動した閉ループ制御によって試料の位置決め角度を求めます。

模擬宇宙環境における人工衛星の熱変形

宇宙望遠鏡は、地上の望遠鏡と比較して、光害や大気による収差の影響を受けないため、より安定した画像を取得でき、広い視野にわたって極めて高い角分解能を実現できます。一方で、コストが高く、保守作業も困難であるため、設計や製造には非常に慎重な準備が必要です。

多くの大型研究用望遠鏡で採用されているカセグレン式反射望遠鏡は、放物面の主鏡と双曲面の副鏡で構成され、副鏡で反射した光を主鏡中央の穴を通して後方へ導きます。望遠鏡の最終的な性能は、ミラーや光学系によって決まります。一般的に、光学望遠鏡のミラーは、観測対象となる光の波長の約10分の1の精度で研磨されています。

計測トラス(Metering Truss)は、グラファイト・エポキシ製フレームなどで構成される望遠鏡の光学系支持構造であり、各構成部品の位置関係を正確に維持する役割を担います。宇宙空間では、直射日光を受ける状態と地球の影に入る状態が頻繁に切り替わり、大きな温度変化が発生します。計測トラスには、こうした温度変化に耐えながら、望遠鏡の光学系を極めて高い精度で位置合わせできる安定性が求められます。また、周囲には多層断熱材が配置され、望遠鏡内部の温度を安定させています。

計測トラスの設計や材料、過酷な宇宙環境に対する特性は、地上で試験する必要があります。構造全体を試験チャンバー内に設置し、温度や圧力などの条件を制御しながら、複数軸のquDIS変位センサーで変形を測定することで、模擬宇宙環境下における構造の変形を評価できます。

この事例では、12軸のquDIS変位センサーを使用し、円筒形の計測トラスの変形を複数方向から測定しています。長時間にわたって低ドリフトを維持しながら、極めて高い精度で変形を測定することが可能です。

図3

宇宙望遠鏡に使用される「古典的な」カセグレン式光学系の模式図です。放物面の主鏡と双曲面の副鏡で構成され、副鏡で反射した光を主鏡中央の穴を通して後方へ導きます。光路を折り返す構造により、コンパクトな設計を実現しています。

図4

計測トラスの設計や材料、過酷な宇宙環境に対する特性は、地上で試験する必要があります。装置全体を試験チャンバー内に設置し、温度や圧力などの条件を制御しながら、quDISで変形を測定することで、宇宙空間での動作環境を模擬できます。