産業向けLiDAR と スマートフォンLiDAR
身近なLiDARと言えばiPhoneなどのスマートフォンです。
iPhoneを含む一部スマートフォンにLiDARは搭載されています。
ここではスマートフォンのLiDARと産業用LiDARの違いを検証してみました。
動画で比較
iPhoneと産業向けLiDAR『LiGrip』の測定結果 比較動画
表で比較
「LiGrip O1 Lite」と「iPhone」を比較表
今回は「手に持って計測できる」という点で、光響取り扱いの軽量タイプのハンドヘルド型LiDAR「LiGrip O1 Lite」と「iPhone」を比較しました。
項目 | 産業向けLiDAR GreenValley International ハンドヘルド型LiDAR LiGrip O1 Lite |
スマートフォンLiDAR iPhone 15 Pro |
---|---|---|
LiDARセンサー | Livox Mid-360 | 公開情報なし |
計測距離 | 〜70m | 〜5m |
FOV | 水平 360° × 鉛直 59°(52°〜-7°) | 70° × 70° 光響製ビームプロファイラで測定 |
精度 | ±3cm(距離 20mで計測した際) | ±1〜2%程度 近距離であれば誤差は小さくなる |
点群数 | 20万点/秒 | 公開情報なし |
後処理 | 取得したデータは別途点群解析ソフトで処理 | 取得したデータはLiDARを使用しているアプリにてそのまま処理 |
処理時間 | 補正をしなかった場合:すぐ 補正をした場合:30分程度 ※補正:ボアサイトキャリブレーションや空間座標付与など |
約2〜3分程度 |
稼働時間(安定性) 10月上旬 気温30℃の屋外で計測時 |
2時間 | 10分 時間経過で本体が熱を持ちアプリが落ちる 冷却し続ければ継続稼働可能 |
取得データで比較
公園にある樹木及びその周辺を計測しました。計測時間は「LiGrip O1 Lite」「iPhone」ともに1分程度です。
産業向けLiDARである「LiGrip O1 Lite」は樹木を含め広い範囲を計測できていました。上部に拡がる葉も計測できているのが特長です。対して「iPhone」は対象である樹木の計測がしっかりとできていました。代わりに計測範囲が狭く、樹木以外の周辺の計測は時間内ではできませんでした。葉も幹上部周辺の一部のみの計測となりました。
LiGrip O1 Lite 点群データ
iPhone 点群データ
産業向けLiDARである「LiGrip O1 Lite」で計測した幹の直径データは”約39cm”(動画撮影時とは別データ)、「iPhone」で計測した直径データは”約30cm”でした。
実計測したところ幹の周囲が”約118cm”となり、計算すると直径は”約37.5cm”となりました。実測に近い(精度が高い)のは産業向けLiDARという結果でした。
LiGrip O1 Lite 直径データ
直径データ 約39cm
iPhone 直径データ
直径データ 約30cm