Bloomingとは
RGBカメラでデータを取得する際に、太陽光などの強い光がイメージセンサーに入射すると光がにじんだように周囲に広がる現象。
Bloomingは、RGBカメラなどのイメージセンサーにおいて、非常に強い光源(例:太陽、反射した金属面など)を撮影した際に、光が本来の明るさや範囲を超えて周囲ににじみ出てしまう現象です。これは、センサーの飽和(saturation)と電荷漏れ(charge spill-over)が主な原因となります。
特徴と仕組み
1.センサーの飽和(Saturation)
- イメージセンサー(CMOSやCCD)は、各画素(ピクセル)に光が当たることで電荷を発生させ、これを映像データとして記録します。
- 強すぎる光が当たると、そのピクセルが保持できる電荷量の限界を超え、電荷が溢れてしまう=飽和状態になります。
2.電荷の横漏れ(Charge Spill-Over)
- 飽和したピクセルは余った電荷を隣接ピクセルに漏らすことがあります。これによって、本来は暗いはずの周囲のピクセルも明るくなり、光がにじんだような「光の尾」や「にじみ」が発生します。
具体的な例
- 逆光の撮影時に、太陽の周囲が不自然に白く広がってしまう。
- 夜間の街灯や車のヘッドライトなど、明暗差が激しいシーンで光源の周囲がぼやけて白飛びする。
Blooming の影響
- 画像の視認性が低下(本来の対象物の形や色がわかりづらくなる)
- 機械学習や物体認識精度の低下(誤検出や誤分類の原因)
- 測位や空間認識の誤差増加(SLAMやRTKなどの処理に影響)
対策
- HDR(High Dynamic Range)技術の活用:明暗差を補正することで飽和を防止
- 光学フィルター(NDフィルターなど)の使用:入射光量を減らす
- ソフトウェア処理:露出制御やブルーミング補正アルゴリズムの導入
- ハードウェア改善:ブルーミング耐性の高いセンサー(アンチブルーミング構造など)を使う