目次
幾何光学(1)
【人は光をどう理解してきたか?】
光はとにかく目で見えるためたいへん分かりやすい現象ですが、あまりにも身近すぎて、「光とは何か」と考えた人は、昔は恐らく少なかったのではないかと思われます。当たり前に存在するものだと思われていた光を、どのように学問づけ、現代に至ったかということをお話しします。
【イスラムの光学(AC9世紀)】
1000年以上に渡り、ヨーロッパは暗黒時代と言われていましたが、その間には、実はイスラムでは科学が非常に発達しました。イラク出身のアルハーゼンの著書「光学」では、光の屈折や球面の反射、レンズの原理や目の構造などが記されています。今我々が理解してる認識が、既に9世紀頃のイスラムではほぼ存在していたのです。
【ルネッサンス以降】
ルネッサンス以降では、ガリレオが望遠鏡を作成しました。その後ケプラーが別の原理を用いて、ケプラー式といわれる望遠鏡を考えました。それからフェルマーの原理が見つかり、光は空間をどのように伝わるのかという基本的な原理が述べられました。
【近代へ】
近代になると、レーヴェンフックが単レンズの顕微鏡で赤血球や微生物、精子を初めて発見しました。フックは、顕微鏡で見た資料の絵をミクログラフィアという著書にまとめ、大ベストセラーになりました。それから1800年頃、ヤングが干渉の現象を用いて、光は波動だということを証明しました。

【ANTONY VAN LEEUWENHORK(1632-1723)】
顕微鏡を作った人物です。
【単レンズ式顕微鏡】
ANTONY VAN LEEUWENHORKはが作成した顕微鏡のレンズの直径は約1ミリ程で、倍率が200倍400倍近くあったといわれています。視野が非常に狭いと、中心付近は非常に鮮明に見えますが、少し中心が外れるとすぐぼやけてしまう欠点がありました。
【ROBERT HOOKE(1653-1703)】
ロバートフックの肖像画ですが、最近では間違いということになっています。ロバートフックの肖像画は残っておらず、ニュートンと仲が悪く、フックの死後、ニュートンが全部処分したといわれています。彼の著書「ミクログラフィア」では、自身で作成した望遠鏡で実際に見た月の表面などが描かれています。
【ISAAC NEWTON(1642-1727)】
ニュートンは光の粒子説を唱え、太陽光のスペクトルを分解と合成を行い、反射望遠鏡を作成した人物です。
【光の時代へ】
20世紀に入り量子が生まれると、それをもとに冷蔵庫の発明されるなど、光技術は我々の生活に身近なものになりました。現在では非常に短いパルスの作成が可能になるなど、いよいよ現実のものとして使われつつある時代になってきました。
【光の波長】
光は粒子か波動かという論争がありますが、私の講義では基本的に、光は「波動」という立場でお話しします。けれど、現象を説明するために、粒子的に考えた方が理解しやすい場合があります。時には粒子的な考えで説明する場合もあります。

【太陽の光】
太陽から地球に光が届きますが、その波長の分布を調べてみると、こちらの表のような結果になります。
【光学・光学入門】
朝倉書店から出版されている「光学」には演習問題などもたくさん掲載されており、一人で勉強される際にはたいへんおすすめです。
ざっくりと学びたいという方には「光学入門」がおすすめです。こちらにも例題がたくさん掲載されており、自習できる内容であります。
【光線】
光は何も無ければまっすぐ進みます。特に真空の中ではまっすぐ進みます。そのように基本的な光の進み方の議論をします。

【反射と屈折】
反射と屈折について説明します。入射光線、反射光線、屈折光線、入射点に立てた法線は同一面に存在します。また入射角と屈折角は等しく、入射角の正弦と屈折角の正弦の比は、境界をなす媒質で決まり、一定になります。
【屈折】
屈折の法則の公式をみてみましょう。入射の角度と屈折の角度のサインの比が一定です。以下のように覚えましょう。
第1の屈折率×sinθ1=第2の媒質の屈折率×sinθ2
つまりこれは媒質によらず、屈折率×sinθ1は一定なのです。不変なんです。これを屈折の法則はスネルの法則と呼ばれてます。

【ニュートンの実験(太陽光の分散)】
こちらは、ニュートンの有名な光学という本に書いてある、太陽光をプリズムで分けた時の実験の絵です。本人が描いたといわれています。
【フェルマーの原理】
光はどう進むのか、光線はどう進むのかと考えたときに、フェルマーという人はこのようにいいました。A点からB点に光が進む経路は、光が通る時間の最初になればよいです。つまり、最初の時間で伝わるような経路になればいいといったのです。
【屈折】
屈折の法則を今のフェルマーの定理で証明します。
【フェルマーの原理】
フェルマーの原理は、光が進む経路を表す非常に基本的な原理になっています。しかし、なぜこうなるのかは分かっていません。
しかし、力学の基本的な構成と、幾何光学の基本的な構成は非常に類似性があります。つまり、物理の基本的な概念から導けるものなのです。

【マリュスの定理】
フェルマーの定理を認めるとすると、このようなこともいえます。レンズの性質など、様々なことを考えるときに、これは非常に重要な定理になっています。しっかりと覚えておきましょう。
【全反射】
水の方が空気よりも屈折率が大きいため、屈折力の大きい媒質から小さい媒質に光が進む時に、当然反射の法則が成り立つのです。
プールの中から上を見た時に、水面がキラキラ光っています。真上を見ると空が見えますが、少し角度を変えて横から見ると鏡のように反射します。全部反射するということが、全反射なのです。

【光学系における距離の取り方,符号】
これからはレンズ等のいくつかの取り決めをします。一回一回、反射や屈折を計算することは非常に大変なことです。統一的な考え方をしようということが、経験的に知られています。
【近軸光線 (球面における屈折(1))】
まずは、図のように境界面が球面だという場合を考えてみましょう。これはレンズの一つの面を想定しています。

【球面における屈折(2)】
先ほどの近似をすると、式が簡単に、楽になります。角度に関係ない式になります。
【ラグランジュの不変量】
ラグランジュの不変量という非常に便利な量があります。ここで詳しく説明はしませんが、こういうものがあるということを覚えてください。
【焦点距離】
焦点距離は、光学系を解析する上で非常に重要な量です。焦点距離の定義は非常に遠くにあった時、どこに像ができるかということです。
【ニュートンの式】
ニュートン式はあまり有名ではないかもしれません。けれど、非常に便利な式なため、覚えておきましょう。

【倍率(横倍率)】
上下方向の横倍率について説明します。
【倍率(縦倍率,角倍率)】
並列の縦倍率と、角倍率について説明します。
【球面における反射】
近軸光線については、動画の公式のように成り立ちます。
【薄肉レンズ(1)】【薄肉レンズ(2)】
1つの面ではなく、2つの面が合わさったレンズを考えます。そうすると、レンズは2つの曲面を持っているため、2つの曲面がある距離を置いて置かれているような状態をレンズといいます。レンズを通ったこと、どこに像ができるかを考える時ことは、簡単で、第1面の屈折の式と第2面の屈折の式を2つ合わせることで求められます。

【レンズのパワー(屈折力)】
パワー(屈折力)という値があります。それはレンズ焦点距離分の1になります。レンズの度数とも言います。単位はジオプターです。
【薄肉レンズの組み合わせ】
今度は薄肉レンズが2枚の時、どうなるのかみてみましょう。第1の薄肉レンズでできる像が、今度第2の薄肉レンズの物体の位置になり、そこで像がどこにできるかという計算を行います。
【厚肉レンズ】
厚さを無視しないものが、厚肉レンズといわれています。かなり込み入った式になると予想されますが、見通しのよい量を定義すると、非常にすっきりした式を導くことができます。

幾何光学(2)
【光学系における距離の取り方、符号】
これから、複雑な光学系をどのような像ができるのか、光線がどんな風に進むのかということを、様々な場面に従って解析していきます。その際に、非常に重要なシステマティックに解析を進めるための取り決めをします。
【近軸光線(球面における屈折(1))】
面の曲率半径r は負です。点 Pから発する光線と基準軸とのなす角をu,点 P’における光線と基準軸のなす角をu’とします。角度の測り方は、基準線(ここでは基準軸であり、屈折の場合には境界面に立てた垂線)から光線を見た最小の角度で反時計回りの方向を正とします。ここで、光線の高さを hとします。u,u’が十分に小さいときには, tan u= h/(-s), tan(ーu’) = h/s’ と書けます。
【球面における屈折(2)】
この式は、光線の角度に無関係に成立するので、点 Pからいろいろな角度で出射した光線束は、すべて点 P’に収束します。つまり、近軸光線のみを考えた場合には、点 Pの像が点 P’にできることがわかります。このように、光線束が 1点に収束するとき、点 P’は点 Pの実像(real image)といいます。一方、光線を逆向きに延長したとき、1点で交わる場合にはこれを虚像(imagenary image)といいます。光線逆進の原理から、点 P’から光路を逆進する光線束は、点 Pで像を結ぶことがわかります。物点 Pと像点 P’は互いに共役(conjugate)の関係にあるといいます。

【ラグランジュの不変量】
この量は屈折の前後でも不変であり、これをラグランジュの不変量と呼びます。(Lagrangein-variant)と呼びます。またこれは、面と面の前後でも不変なのです。
【焦点距離】
焦点距離は物体が無限にあった時の、像の位置が焦点です。物点が無限遠にあると s=一∞で、入射光線は基準軸に平行になります。このときの像点の位置 s’=f’を後側焦点(focal point)F’といい、 f’を焦点距離(focal length)といいます。また、像点が無限遠にあるときの物点位置を前側焦点 Fといい、焦点距離はs=fです。計算してみましょう。
【ニュートンの式】
次に、焦点を原点として物点と像点までの距離を定義してみましょう。これをニュートンの結像式といいます。
【倍率(横倍率)】
倍率とは、物体の高さと像の高さの比です。計算してみましょう。
【倍率(縦倍率,角倍率)】
どのくらい光軸上で上下に伸び縮みするものが横倍率、縦が縦倍率といいます。
ヘルムホルツ・ラグランジェの不変量(Helmholtz-Lagrange invariant)とは、互いに共役な関係にある 2点間に成立する関係のことをいいます。
【球面における反射】
それから球面の反射した場合も考えると次のような関係になります。
ここで注意しなければならない点は、距離sとs’の符号、そして、屈折率です。
【薄肉レンズ(1)】
薄肉レンズとは先程の1の球面での屈折が2回あるのです。レンズの前と後ろの面に存在します。

【薄肉レンズ(2)】
薄肉レンズの結像式、あるいは単に、レンズの公式と呼ぶ式を計算してみましょう。
【レンズのパワー(屈折力)】
焦点距離の逆数のパワーを屈折力といいます。
【薄肉レンズの組み合わせ】
今度は、薄肉レンズが2枚あった時にどうなるのかという考え方です。計算してみましょう。
それぞれの焦点距離がf’₁とf’₂の 2枚のレンズが間隔 dで並んで置かれている場合を考えてみましょう。 2つのレンズの光軸は一致しているものとします。一般に、いくつかの光学系があり、それぞれの光軸が一致しているものを共軸光学系といいます。

【厚肉レンズ】
厚肉レンズ(普通のレンズ)の場合を考えてみましょう。考え方は、薄肉レンズの場合と同じように、物点、像点位置を定義します。
【主要点(主点,節点)】
主点もしくは主平面というものを考えると、非常に解析の見通しがよくなります。
【二つの光学系の結合】
一つの光学系レンズではなく、一般化してみるとどんな複雑な光学系でも、その光学系全体では2つの平面があるということもいえます。だから、普通のカメラレンズが何枚か入っていたとすると、必ず一つのペアの主平面、前側主点と後ろ側主点が決まるで、そこから焦点距離を測ればよいのです。カメラレンズの一番後ろの面から、焦点距離を測っているわけじゃないということを注意してください。では、問題を解いてみましょう。
【アフォーカル光学系】
望遠鏡のような光学系では、非常に遠くにある物体の像を作るため、物体は非常に遠いところにあります。そのためほとんどの光線は、光軸に平行に入ってくるのです。望遠鏡の一番先端の対物レンズは、像を平行に出す光学系になっています。つまり、物体の位置も無限大になっているような、そのような光学系を誇る光学系をアフォーカル光学系といいます。

【ベンディング】
2つの球面の曲率半径の一方を変えても他方を適切に決めれば、単レンズの焦点距離を不変に保つことができます。これをベンデイング(bending)といいます。単レンズの主点位置は、ベンデイングの状態により変化します。 2つの主点位置がレンズの外側にある場合もあります。また、平凸レンズあるいは平凹レンズでは、一方の主点位置は、平面の境界面と反対側の境界面上に位置することがわかります。
【絞り】
絞り(stop)とは、光学系に入射する光来の太さを制限する関口(aperture)です。絞りには、目的の異なる二通りの使い方があります。すなわち,入射光量を制限する関口絞りと像の範囲を制限する視野絞りがあります。

【Fナンバー】
光学系がつくる像の明るさについて考えてみましょう。光学系は薄肉レンズであるとすると、光学系に入射する光量を考えるには、直接関口絞りに対して入射してくる光束を考えるよりも、入射瞳に入射する光束を考えた方が便利です。
【収差】
近軸光線からの実際の光線のずれを収差といいます。収差の定義は非常に漠然としていて、色んな考え方があります。そのうちの一つを見ていきましょう。面に入射させる方が球面収差は少なく、 一般に球面収差の発生を抑えるには、レンズ面に対して小さい角度で光線を入射させればよいです。

【正弦条件】
普通の光学系では球面収差がどうしてもできてしまいますが、それを絞りやベンディングなどをうまく使い組み合わせることで、球面収差を除くは可能です。軸から少し離れて斜めに入っていた光線に対しても0にするような条件を正弦条件といいます。
【アプラナティック球面レンズ】
正弦条件を満たした光学系をアプラナティックといいますが、具体的にどのようにすれば、アプラナティックを満たすのかを説明します。

【非点収差】
今度は光学系に斜めから入ってくることを考えてみましょう。
光軸から外れた点物体からの光束がレンズに入射した後、1点に収束しないことがあります。これは光軸と主光線を含む面(これを子午断面(meridional plane)と呼びます)内の光線がつくる像点と、この面に垂直で主光線を含む面(これを球欠断面(sagittalplane)と呼びます)内の光線がつくる像点が異なるからです。このことを非点収差(astimatism)といいます。子午的(メリディオナル)光線がつくる像位置と球欠的(サジッタル)光線がつくる像位置の距離を非点隔差といい、非点隔差のほぼ中間に円形に近い小さな像(最小錯乱円という)ができます。非点収差は、光軸外の物体についてのみ発生します。非点収差が除かれたレンズをアナスティグマートといいます。
【像面湾曲】
非点収差があると、メリディオナル光線がつくる像面(メリディオナル像面)と、サジッタル光線がつくる像面(サジッタル像面)の 2つが存在し、その中間に実質的な像面が存在します。この像は必ずしも平面とはならず、湾曲しています。一般に、平面物体は、平面像面には結像されません。このような収差を、像面湾曲(curvature of field)といいます。
【歪曲】
球面収差、コマ収差、非点収差あるいは像面湾曲は像の鮮明度を低下させる収差です。これらの収差が低くが抑えられても、まだ、物体と像とを相似に結像することはできません。薄肉凸レンズの前側に絞りが置かれた場合には絞りに斜めに入射する光線はレンズの周辺を通りより多くの屈折を受け、矩形物体がたる形に歪むことになります。
【色収差】
光の波長が変わると屈折率も変化するので、収差も変化します。これが、色収差 (chro-matic aberration)です。色収差には、波長によって焦点距離が変化する軸上色収差と、波長によって結像倍率が変化することに起因する倍率色収差があります。
【アッべ数】
色収差を考えるうえで、光学ガラスの分散特性を 1つの数値にしておくと都合がよいです。

【色消しレンズ】
色収差を除いたレンズを色消しレンズ(achromatic lens)といいます。
【波面収差】(動画では「球面収差」となっていますが、正しくは「波面収差」です)
これまで考えてきた収差は、点物体から出た光線が理想像点に収束しない場合に、理想像点からの偏差として定義されてきた、幾何光学的な収差です。収差の記述法として、波面の概念による方法もあります。
【拡大鏡(ルーペ)】
薄肉凸レンズで物体を拡大して見る場合を考えてみましょう。正立虚像(erect imaginary image)を見ることになるので、レンズの前側焦点位置よりもレ ンズ側に物体Pを置く必要があります。
【顕微鏡】
極めて小さい物体を拡大して見る光学器械が、顕微鏡(microscope)です。顕微鏡対物レンズ(microscopic objective lens)によってできた拡大倒立実像を、接眼レンズでさらに拡大します。

【望遠鏡】
遠方の物体を拡大して見るための光学器械が、望遠鏡(telescope)です。望遠鏡には、レンズを使う屈折望遠鏡と反射鏡を使う反射望遠鏡があります。屈折望遠鏡には、遠方から来る平行光を対物レンズで結像し、これを凸の接眼レンズで拡大するケプラ ー(Kepler)式と, 凹接眼レンズを用いるガリレイ(Galilei)式があります。
【近軸光線の追跡(行列表示)】
光学系の設計には、何枚ものレンズや反射鏡を組み合わせて、目的とする光学特性や性能(焦点距離、倍率、収差特性、分解能など)を実現する必要があります。これを光学設計といいます。光学設計では、まず、近軸光線で大まかな光学特性の評価を行い、次に、収差を考慮した光学特性の評価を行い、目的の特性を満たす、媒質の屈折率、境界面の曲率半径、面間隔などを最適化します。
【光線ベクトル】
光線を光軸に対する換算角度 U と高さ h を成分とするベクトルで表します。計算してみましょう。
【光学系行列】
一例として、単レンズを通過する場合の光線の変換を考えてみましょう。
【厚肉レンズ】
屈折率が n で、肉厚が t のレンズを考えてみましょう。

波動としての光
【波動の条件、波動方程式】
はじめに、光の反射と屈折のことを中心に説明いたします。
まず波の一般的な性質について、復習します。波とは物理学的に説明すると、何かあるものの媒質になります。平均的な位置、もしくは安定した位置からずれると変位します。変位が時間と共に空間を伝わっていく現象を、波動といいます。
【波動方程式】
波動方程式について説明いたします。
【マックスウェルの方程式】
電磁気学をならいながら、マックスウェルの方程式を解いていきましょう。

【波動方程式】
マックスウェルの方程式のEとHの関係を変形すると、Eだけの式とHだけの式にすることができます。そうすると、先程のような4つのマックスウェルの方程式から、波動方程式を導くことができます。
【正弦波】
山が1山だけずっと伝わってるもの、津波のようなもの、物理的に安定しているもの、それから数学的にも非常に意味があるものとして、正弦波というものを考えていきます。

【重ね合わせの原理】
波動関数の非常に重要な性質として非線形性というものがあります。
【位相速度と群速度】
位相速度と群速度の公式について説明いたします。

【波動の複数表示】
今後は、様々な周波数が重なった際、どのような状況になるのかを解析していきます。先程の様々な周波数のsin、conの波の重ね合わせを計算します。
【平面波】
平面波について考えていきましょう。
【球面波】
一つの点から放射状に、光が広がっていくような状態を球面波といいます。
その説明をしていきます。

【重ね合わせの原理とフーリエ変換】
本題から少しそれてしまいますが、少し数学的な準備をします。空間のどこか1点を決めて、その時間とともにどのように変化するのか、という場合を考えます。
【波のエネルギー】
問題はその波のエネルギーがどの程度なのかということなのですが、波動の一般的な議論を交えて説明いたします。
【電磁波のエネルギの流れ:ポインティングベクトル】
【横波としての電磁波】
光というのは、電界と磁界の振動でできた波だと説明しました。その話を前提に、次の式を解いていきましょう。

【境界条件】
境界面で光がどのように変化するのか、電界と磁界がどのように変化するのかということを考えます。つまり境界面で反射と屈折がどのようにして起こるのかということを説明をします。
【波の反射と屈折】
境界条件を使って、波の反射と屈折を導いていきましょう。
【波の反射と屈折(スネルの法則)】
波の反射と屈折(スネルの法則)の式を解いていきましょう。

【境界面における波の連続性:屈折の法則】
境界面における波の連続性:屈折の法則について、図を交えながら考えていきましょう。
【フレネルの反射透過係数】
境界面で何を反射するのか、何を動かせるのかという、反射係数・透過係数がどれくらいかということを求めていきましょう。
【ベクトルの公式】
ベクトルの公式について考えてみましょう。

【S-偏光の場合】
電界が紙面に垂直に入ってくるとして、S-偏光の場合を考えてみましょう。
【P-偏光の場合】
P-偏光の場合も、S-偏光と同じような考え方で、解いてみましょう。
【振幅透過率・反射率(フレネル係数)】
振幅透過率・振幅反射率をフレネル係数といいます。
【ブリュースター角】

【ストークスの関係】
ストークスの関係の式を考えてみましょう。
【強度反射率と強度透過率】
スネルの法則とは、振幅に対する反射と透過の積になります。こちらの場合もとても重要ですが、エネルギーが○○%反射し、○○%透過するかということも非常に重要になります。

【全反射】
屈折率が小さい媒質から大きい媒質の方にいく場合の、全反射について考えてみましょう。

偏光
【偏光の表し方】
光というのは電磁波、電界と磁界の振動が空間を伝わっていく現象です。さらに、電界と磁界はいつも直交しています。そして進んでいく方向に直角です。つまり進んでいくベクトルと電界のベクトル、磁界のベクトルは直交しているのです。偏光の表し方について学んでいきましょう。

【直線偏光】
直線偏光の計算を考えてみましょう。
【円偏光】
続いて、円偏光について学んでいきましょう。

【複屈折,偏光子】
偏光は分類して表すことができます。
実際には、例えば電球の光などの普通の光、自然光というものは偏光してないことが多いです。偏光してないということは、X方向の振動とY方向の振動がデタラメになって、規則性がない状態のことを指します。
規則性があるものを偏光といいます。偏光は何らかの手を加えないと、普通の状態では実現されないのです。実際の世の中の様々な現象には、偏光に依存する光は、実はたくさんあるのです。
【波長板】
本題に入る前にひとつ、波長板という概念についてお話しします。
どのくらいの位相変動があるのか、またリターデーションについても解説していきます。

【ストークスパラメーター】
では、偏光の状態をどのように測るか説明いたします。まず、光源から来た光がどのような偏光なのかを決めなければなりません。その際に、ストークスパラメーターというものが使われます。
【スタークスパラメーターの測定】
測定方法は、実は偏光板や偏光出器などの2つを組み合わせることで測定できます。このあたりの計算は後ほどお話しします。
【部分偏光】
問題は、普通の光はしっかりと偏光している成分と、全く偏光していない成分が足し合わさってできていることです。

【ミューラー行列】
今までのお話では、偏光の状態を非偏光も含め、ストークスパラメーターで表わすことが可能ということです。そしてそのストークスパラメーターは4つの成分があります。
【偏光子】
偏光子の計算は少し手間がかかりますが、一緒に考えていきましょう。
【波長板】
偏光子の計算と同じく、大変ですが一緒に計算していきましょう。
【旋光子】
旋光子の計算を考えてみましょう。

【角度θ回転させたミューラー行列】
θだけ回転させたミューラー行列を求めるには、最初にθ回転させる行列に、偏光素子のミューラー行列をかけて、そして逆回転させます。そうすると、θだけ回転する偏光子のミューラー行列がスライドのような関係になります。
なぜそのような関係になるのでしょう。考えていきましょう。
【X軸に対して45°の直線偏光が1/4波長板を通過した場合】
こちらの場合を考えていきましょう。

【ポアンカレ球】
4×4の行列で計算しようとしますが、さらに見通しが良くなる方法がないか、ということで考えられた方法が1つあります。
それがポアンカレ球というものを使う方法です。
【ジョーンズベクトル】
もう少し単純な場合を考える方法がジョーンズベクトルというものです。
ストークスパラメーターは、偏光してる光と偏光していない光を全て含めて表しています。測定可能な全ての偏光状態を表すことができますが、もう少し単純に偏光している成分を表わす方法として、EX成分とEY成分が分かればよいのです。これをスライドの式のように表すことができ、これジョーンズベクトルといいます。
【ジョーンズ行列】
偏光はジョーンズベクトルで表せるということが分かりました。今度はこのジョーンズベクトルを別の状態に変えるための行列、ミューラー行列と同じような議論ができるのです。

【波長板の回転】
波長板の回転の計算について考えていきましょう。
【直交直線偏光子】
まず最初に、水平方向に偏光成分を取り出す偏光板を置き、それから垂直方向に取り出す偏光板を設置すると、これはどんな光も全て通さな苦なります。さらにこの真ん中に直線偏光子を入れ、回転させると光は通るようになります。なぜそうなるのでしょう。計算をしてみましょう。
【アイソレーター】
最後に、興味深い例を紹介します。
レーザー光は、光の共振器になっています。その共振器から出たレーザー光がもとに戻ってくると、共振の条件が狂い、共振が非常に不安定になることがあります。特に半導体レーザーはそれを大変嫌います。例えば光ファイバーは、半導体レーザーから出てきた光を、光ファイバーに当て入れるときに、反射して元に戻る成分があります。また、光ファイバーの途中で様々なものを置いた時には、半導体レーザーの出力が変化し、非常に不安定になるということがよくあります。

【質疑応答】
Q1, 無偏光のストークスベクトルS0=1他は0 は物理的には理解できるが、電場のEx Eyの表示から導出する方法は何ですか?
Q2, 1000の無偏光な光をポアンカレ球にプロットする際は、どこにプロットすればいいのでしょうか?
Q3, 先生の以前のご研究で微分干渉顕微鏡のプリズムをジョーンズベクトルで解析する、があったと思います。ノマルスキープリズム等をジョーンズマトリックスで書く場合どのように考えると理解しやすいですか?
干渉
【ヤングの実験】
干渉は波動光学の中の重要なトピックスの1つです。光が波動だとすると、必然的に干渉という現象が起こってくるのです。
古代ギリシャの時代から、「光は波か粒子か」という説が長い間対立していました。1801年にヤングが実験を行い、光は干渉するということを示しました。まだ紆余曲折があるものの、「光は少なくとも波である」という決定的な証拠が、これからお話するヤングの実験です。どのような実験をしたかを説明いたします。

【白色光干渉】
ある共通の非常に小さな光源から出てきた光を、2つに分けて重ねると干渉縞が出てきます。それが光が波動であるということを証明しているのです。さらに詳しく解説いたします。
【干渉縞の鮮明度】
干渉縞は、理想では強度が0から1まで終始的に変化します。実際には、光源の波長がある程度広がったり、光源が1点ではなく、光源自身が広がり、波長が広がるなどの様々な変化がみられます。すると干渉縞の明るさが0から1まで終始的に変化せず、平均値の周りを上下変動するのです。
【時間的可干渉性】
先ほどお話したように、光源が今までの計算では、理想的には、オメガは0ならオメガ0という、非常に決まった周波数、波長の光に対しての理論でした。しかし実際にはそうではなく、波長はある広がりを持っており、光る場所もある広がりを持っています。点から出てくるだけではなく、たくさんの原子から光が出てきます。空間的に広がることによって干渉縞の鮮明度が変わるのです。

【空間的可干渉性】
ヤングの実験では「光源は小さい」と考えて計算しましたが、今回は「光源は大きい」と考えて計算してみましょう。
【ファンシッター・ツエルニケの定理】
式を大幅に省略して考えてみましょう。

【二光束干渉】
今まではスリットなどから漏れ出てくる光を重ねていました。
今回は、半透明鏡などの光源から出てきた波を2つに分けて、それらを重ねて干渉縞を作る二光束干渉という方法についてお話しします。
【等傾角干渉】
続いて等傾角干渉について説明いたします。

【等厚干渉】
2つの境界面の間隔が変わってるとき、つまりこのガラス板の厚さが場所で変わるようなとき、その次にはどのような干渉縞ができるかということを考えてみましょう。
【ニュートンリング】
身近な例としてニュートンリングが挙げられます。構造などについて説明いたします。

【多光束干渉】
今までは、2つの種類の波が干渉する場合を考慮して考えていましたが、よく考えてみると、それは少し違い、ある種の近似となるのです。それは一体どういうことなのか解説いたします。

【反射防止膜】
先ほどの多重反射の応用の一つとして、反射防止膜という媒質があります。そしてこの反射光を0にできる条件があるのです。さらに詳しく解説していきます。
【多層膜における干渉】
どのように垂直入射ではなくても対応ができるのかについて解説いたします。

【特性行列】
特性行列について詳しく解説いたします。
【反射率と透過率】
S偏光に関する反射率はどうなのか、透過率等について詳しく解説いたします。
【多層反射膜】
通常は屈折率の高い層と低い層を同じ厚さで、交互に積み重ねるという構造で覆っています。多層反射膜について詳しく解説いたします。

【干渉計】
実用的な干渉計のお話をします。
実は様々な種類の、たいへん工夫された干渉計が色んな目的で使われています。
【マイケルソン干渉計】
具体的な干渉計について解説いたします。
【トワイマン・グリーン干渉計】
具体的な干渉計について解説いたします。

【フィゾー干渉計】
フィゾー干渉計は日常的に、非常に多く使われています。ほとんどの市販の干渉計はこの構成になっています。
原理的には、トワイマン・グリーン干渉計と同じですが、より詳しく解説いたします。

回析
【ホイヘンスの原理とフレネルの説明】
回折とは、前回お話しした干渉と並んで「光は波である」という性質を顕著に表している現象です。
今回の講義では「光は波であるならば、どのように伝わるのか?」ということについてお話ししていきます。

【フレネル・キルヒホッフの回折式】
いよいよ本格的な話に入っていきます。
以前の波動の講義でお話ししました、マックスウェルが打ち立てた電界と磁界の4つの方程式と、そこから導かれる結論の一つからお話ししていきます。

【バビネの定理】
バビネの定理についての説明です。
これをうまく使うと計算が後々楽になります。
【フレネル回折】
さまざまな条件に従って、この回折場で観測点の振幅が、どうなるのかということについて計算していきます。

【フラウンホーファー回折】
フラウンホーファー回折についての説明です。
【スリットのフラウンホーファー回折】
次に具体的なカタチを見ていきましょう。
一番簡単なスリットから解説していきます。

【矩形開口のフラウンホーファー回折】
矩形開口の場合はどうなるのかということについての解説です。
【横ずれしたスリットのフラウンホーファー回折】
スリットが形そのままで横にズレる時に、フラウンホーファー回折はどうなるのかについての解説です。
フーリエ変換をご存知の方には自明のことですが、後々便利になる内容です。
【複スリットのフラウンホーファー回折】
スリットが2個あった場合のフラウンホーファー回折の解説です。

【回折格子】
スリットが2個以上ある回折格子の解説です。
【円形開口のフラウンホーファー回折】
開口が丸い時にはどうなるのかという解説です。

【無収差レンズの焦点像強度分布】
無収差レンズの焦点強度分布についての解説です。
【フレネル回折】
フレネル回折についての解説です。
先ほどは ξ と η の二乗を無視したわけですが、今回はそこを無視しないで計算していきます。

【コルニューの螺旋】
コルニューの螺旋についての解説です。
【ナイフエッジのフレネル回折】
ナイフエッジのフレネル回折についての解説です。
【スリットのフレネル回折】
スリットのフレネル回折についての解説です。
【円形開口のフレネル回折】
円形開口のフレネル回折についての解説です。
先ほどのフラウンホーファー回折よりも複雑なものになり、ベッセル関数が入ってくるような回折の式になります。
【フレネルゾーンプレート】
回折の現象を利用して光を集めることができる、フレネルゾーンプレートについての解説です。

【角スペクトル法】
コンピューターの発達により、数値計算が容易になり、現在、フレネル積分やベッセル関数とは違った計算の打ち方が導入されています。
色んな呼び方をされているのですが、角スペクトル法というもので、それがどういうものなのかということについてお話ししていきます。

【質疑応答】
Q,スカラー波で議論していたと思うのですが、それがベクトル波になった時に
主に変わるのはどのあたりになるのでしょうか?
A,偏光の影響です。
回答について詳しく解説していきます。
フーリエ光学
【フーリエ光学の教科書】
フーリエ光学という題で今回はお話をさせていただきます。
前回お話しした回折の話を別の観点から、基本的には数学のフーリエ変換を元にして、特に回折の現象を説明します。
また、それと関連してどのようにして像の良し悪しを評価するのかという、伝達関数の計算方法をお話しします。
【フーリエ変換とコンボリューション】
話のベースとなる、数学のフーリエ変換とは何なのか?について
その意味をこれからお話ししていきます。

【フーリエ級数】
フーリエ級数についての説明です。
【2次元】
これから2次元を扱っていきます。
【コンボリューション積分】
今後の話をしていく上で非常に重要な「コンボリューション積分」という概念についてお話ししていきます。
コンボリューション積分は、各々の関数のフーリエ変換の掛け算したものの、逆フーリエ変換である。という非常に重要なことです。

【フーリエ変換の性質】
フーリエ変換というものは線形変換です。
これらの性質についてお話ししていきます。
【よく使う関数とフーリエ変換】
いろいろな関数のフーリエ変換について考えていきます。
その際の、便利な書き方についてもお話ししていきます。
【フレネル回折とコンボリューション積分】
次に、いよいよ光学系のお話に入っていきます。
特に、前回お話しした回折の解説と関係してきます。

【フレネル回折式(別の変形)】
実はフーリエ変換一回でもいいという方法があります。
その方法についてお話ししていきます。
【角スペクトル法】
前回お話ししたことではあるのですが、復習として回折の計算に使われる角スペクトル法について説明します。

【レンズのフーリエ変換作用】
ここまでの話から、回折というものは基本的にはフーリエ変換を用いることで非常に効率よく計算できるということが分かったかと思います。
ここから話をさらに進めていくと、最終的には結像のことを解析するという話になります。そのことについてお話ししていきます。

【結像】
これまでは、レンズの後方の焦点の位置でどうなるかというお話をしました。
同じように、物体がレンズの前の任意の点にあり、レンズの後ろの適当な位置での振幅分布がどうなるかという計算をした際に、
結像の条件が成り立つ場所で、どうなるのかという計算をすれば、像がどんなふうにできるかということを求めることができます。
【コヒーレント光学系の伝達関数】
コヒーレント光学系の伝達関数についての解説です。

【インコヒーレント結像の伝達関数】
ここからは、インコヒーレントの場合、つまり物体を証明している主体がインコヒーレントとはどういうことかについてお話ししていきます。
【インコヒーレント結像のOTF】
インコヒーレント結像のOTF(光学的伝達関数)についての解説です。

【空間周波数フィルタリング】【周波数制限フィルター】
結像で幾何光学との対話を取るために、非常に重要な概念です。
ここからは情報処理に関して、周波数を変化させることにより別の像を作るという話をしていきます。
【マッチトフィルター】
マッチトフィルターについての解説です。
【結合フーリエ変換相関器】
相関関数の計算の際に、合成を取ることができます。
そのことについて解説していきます。
【ホログラフィ】
3次元的な物体があり、ここからレーザー光で証明し、解析されてきた光がホログラムです。物体の記録方法であるホログラフィについて解説していきます。
【ホログラムの種類】
物体光と参照光が干渉するようなコヒーレントな光で実現すれば、どんな配置でも波面は記録することはできます。物体から来た波面を記録することができます。いろんな種類があります。

【計算機ホログラム】
今まではホログラムをつくるための実際に物を置き、そのものを証明して解析されてきた波を、参照波と干渉させてホログラムを作ってきたわけですが、そのプロセスを全部計算機の中でやることができます。
【ディジタルホログラフィ】
実際のホログラムを、実際のものと参照波を当ててできる干渉縞。そのホログラムをイメージセンサーや、画像入力装置で読み取るとディジタル的なホログラムができます。
それを今度は数値的に検出されたイメージセンサーで、検出されたホログラムに架空の光を当てた時のフレネル回折を計算すると、その像が見えます。
これをディジタルホログラフィーと言います。
【ホログラフィの応用】
回折光学素子といった、応用のお話をしていきます。
【ホログラフィ干渉】
ホログラフィックのもとの3次元物体から来る位相分布というか、形状分布をそのまま記録することができます。
多くの物体がほんの少しずれたり、変形したりしますが、その変形前の像と変形後の像を2つ同時に再生すると、その間の干渉縞が見えます。これををホログラフィー干渉といいます。

【質疑応答】
Q1、レンズのフーリエ変換の作用を確認する際に、線分の長さから位相のズレを計算したと思うのですが、その計算で追えなかったところがあったため詳しく解説していただきたいです。
Q2、前回セミナー回折に関して、角スペクトルのZ軸の依存性についての質問です。
物質と光
【電子双極子モーメント】
今回は今までとは少し違った観点で光のお話をしていこうと思います。
主に「光と物質の中の電子が、どのように関係するのか。」ということから、いろいろな現象を考えていきます。

【分散と吸収(ローレンツモデル)】
外側から電場が加わった際に、電場が光の電場だとすると、非常に高速の交流電場によって電子が寄せられます。
実は屈折率は「それはどんなふうに寄せられるか。」ということで決まります。
【ローレンツモデル(気体の場合)】
先ほど出てきたバネと重りの振動というのは、力学で最初に出てくるように重りの質量と、その重りが横にズレる際の変位の量に比例して、バネによる元に戻る力が働きます。この運動方程式についてお話していきます。

【ローレンツモデル(気体の場合)part2】
外側から入れた光に対して、物質の中の分極がどの程度できるのか。ということが分かると、外側の電界(光の電場)によって物質の中にどういう分極がどの程度できるのか。ということが分かります。
よって、前パートで出てきた解というものが非常に重要になってきます。

【ローレンツモデル(液体・固体の場合)】
液体や固体の場合はどうなるのか。ということについてお話ししていきます。
【金属の屈折率分散】
これまでは、原子核・分子の周りに電子があり、それが原子核もしくは分子に、拘束されていたというわけですが、金属の場合は電子が自由に動くことができます。
【自由電子だけの効果】
自由電子だけのXだけに比例する効果を無視すると、先ほど登場した式になります。
ここから、自由電子だけの効果について解説していきます。

【クラーマス・クローニッヒの関係式】
物質の吸収係数の周波数が分かると、屈折率が分かるという「クラーマス・クローニッヒの関係式」についての解説です。
【分散式】
物質の種類が異なったり、共振する周波数が違っている場合の式とグラフの解説です。

【発光と受光】
電子が振動することによって、電波を出すということが発光です。物質に光が当たる交流の電界・磁界の振動がおこると、それによって物質の中の電子が励起され、電気の流れが生じます。あるいは、抵抗の変化が生じることで光がきたかどうか、また光の量の大きさが分かります。これが受光です。
【双極子からの放射】
電子双極子モーメントの式、また電子双極子の振動により発生される電流、その電流によるポテンシャルを表す式の解説です。
【電気双極子の振動はZ方向とする】
電子双極子の振動をA方向のみとした場合、ベクトルポテンシャルは「双極子からの放射」で登場した式と同じように表すことができます。それらを極座標に書き換えた場合、どうなるのかという解説です。
【双極子から十分離れたところでは】
通常は電子が振動して、それを観測するのは、電子の大きさに比べて非常に離れたところで観測するだけになります。そこでの式はどうなるのか。また、放射される電界と磁界によるエネルギーはポインティングベクトルで表すことができます。その式についての解説です。
【双極子による電磁波の放射】
電子双極子が、Z方向に振動することによって放出されるエネルギーの式を、XYZ形態で書いた場合の解説です。
【黒体からの光放射(プランクの式)】
物質が温められた時、その熱の効果により電子も振動します。
その際、振動方向がでたらめになりどのようなエネルギーの光が放射されるのかということが問題になります。

【自然放出と誘導放出】
普通の物質は量子重力によると低いエネルギー状態にあり、何度かの過程で高い状態になったとすると、光を発して安定する低い状態になります。そして、光を吸収すると低いエネルギーから高いエネルギーになります。そのモデルについての解説です。
【蛍光とLED】
高いエネルギー状態に、ちょうど条件を満たすような光を入射する状態を作るやり方の一つの解説です。
【レーザー】
反転分布をつくるための共振器の解説です。
【半導体励起固体レーザー(DPSS)】
反転分布をうまく作るために、いろいろな機構がありますが、半導体レーザーによる光ではどうなるのかという解説です。
【ファイバーレーザー】
最近ファイバーの材料として使用されている、エルビウムという原子をドープした光ファイバーについての解説です。

【光検出器】
高感度の検出器としての「光電子増倍管」、また「フォトセルの構造」「フォトダイオードの構造」についての解説です。
【固体撮像素子】
「CCD イメージセンサーの構造」と「CMOS イメージセンサーの構造」についての解説です。

【散乱と吸収】
物質の中を光が伝わる際に、散乱や吸収という現象がおきます。
その現象を利用すると、さまざまな面白い現象を説明することができます。
【ランバート・ベールの法則】
「逆方向に進む光束が無視できる場合」「ランバートの法則」
逆方向に進む光束が無視できる場合の式と、ランバートの法則を表す式の解説です。
「散乱が無視できて、吸収がその濃度に比例する時」「ベールの法則」
ベールの法則についての解説です。
【クベルカ・ムンクの式】
入ってきた時の物質の光強度と、反射してきた光強度の比をとった場合の式と、分厚い層の場合の式についての解説です。
【微粒子や媒質による散乱】
非常に微細な粒子や媒質のところでは、正反射せず、光がいろんな方向に、散乱されます。そういった現象についての解説です。
【散乱断面積】
散乱断面積とはどういうものかについての解説です。
【散乱式】
「レイリー散乱」「ミー散乱」「屈折による散乱」「サイズパラメーター」を説明する際に使用する式についての解説です。

【レイリー散乱】
レイリー散乱の場合は、光の電界と磁界の振動がその分子の振動になります。レイリー散乱の角度依存性を表す図と、散乱断面積についての解説です。

【ミー散乱】
非常に小さな粒子に光が入ると、いろいろな方向に散乱されます。
その散乱光と照明された光が複雑に干渉し、複雑なパターンで放射されます。その計算が非常に面倒なのですが、今回は簡単に説明します。
【火星の夕日は青い!】
実は火星の夕日は青いです。これはミー散乱の影響で、火星は地球と比べて大気が薄いことや、重力が非常に小さいということがポイントになってきます。
【表面による反射】
「鏡面反射をするか、表面反射をするかは表面の凹凸の振幅によって決まる。」ということについての解説です。

被等方媒質中の光
【誘電率テンソル】
これまでの話の中では、均一な(場所によらず一定である)媒質を使ってきました。
これは具体的に言うと屈折率が一定な媒質ということです。
もちろん、屈折や反射をする時はその境界面によって異なるわけですが、同じ媒質中では屈折率は一定だという場合に、光がどういう風に進むかということを考えてきました。
今回の講義では、屈折率が方向や場所によって異なるという媒質中では、どのように光が進むのかということをお話ししていきます。

【電磁場の振動方向】
主軸のイプシロン、誘電率が何故このようなこと(前回終わりスライド)になるのかという話に入っていきます。
今までは媒質中に分子原子が、具体的に言うと電子の雲がある場所がランダムで非常に広い領域で見ると均一でしたが、結晶のような場合になると…

【屈折率楕円体】
さて、ここからはいろんな媒質中、いろんな結晶の形が軟化して、それに対して光がどうするのかということについて議論していくわけですが、その際に見通しがよくなるような考え方について、それぞれ説明していきます。

【法線速度と光線速度】
次に法線の速度と光線の速度についてお話ししていきます。
法線速度というものは、波面が進む方向が違うという話をしましたが、速度も違ってきて、波面が進む速度とエネルギーが進む速度が違います。
【法線速度面】
方向によって法線がどのように変わるのかということを次に考えていきましょう。
波面法線速度がベクトルカッパーでどのように変わるのでしょうか。

【フレネルの法線方程式】
方向にカッパーを与えると法線速度をもとめることができます。
また、VPの二乗をこの方程式からもとめることができます。このVPは実は二乗の形になっているので解は二つあります。
位相速度は、結晶の中を進む波面の速度が2つあり、方向によって異なります。
つまり、一般的には異なる合成速度で伝播する波が2つ存在するということになります。
【屈折率面】
ある結晶の中を進む波面の方向を決めると、その時の波面の速度が2つ決まるということがフレネルの法線方程式の解から分かりました。
この時に波面の方向を与えて、その方向に進む屈折率を決めていきます。

【光線速度】
これまでは波面の速度について考えてきましたが、このパートではエネルギーの進む速度(光線速度)について考えていきます。
【光線速度面】
光線速度も法線速度と同じような図形で表すことができます。
一般的には光線速度が方向を決めると、その方向に超光線の速度は2個決まるということになります。

【一軸性結晶】
三つの屈折率のうち一つのペアが等しい場合の話で、等しいものより大きいものがある場合を正の一軸性結晶といい、この逆の場合を、負の一軸性結晶という風にいいます。
【常光線と異常光線】
均質な媒質を進む光線と同じものを常光線と、手段面の中に存在する振動するような光線である異常光線の解説です。
【異常光線の屈折】
異常光線の場合、光学軸と光線の進む方向が違います。
光学軸と光学軸の方向に進む場合には、常光線と異常光線で同じように進みますが光学軸と違う方向から光線が入ってくると、法則に従わない光線ができます。
それを異常光線といいます。

【一軸性結晶への垂直光入射】
境界面に垂直に光学軸があるような配置を結晶がとっている場合の解説をしていきます。
【一軸性結晶への斜め入射】
一軸性結晶への垂直光入射の応用として、一軸性結晶を斜めに入れた時の、光線の方向についてもう少し分かりやすく説明します。

【偏光子(グラントムソンプリズム)】
グラントムソンプリズムは材料が方解石です。一軸性の負の結晶である方解石を用いた例についてお話ししていきます。
【位相板】
位相板の厚さを上手く調整すると、2分の1波長板や8分の1波長板ができます。
【複像プリズム】
進む方向が違う性質をうまく使って、異なる偏光を違う方向に進ませるようなものを複像プリズムといいます。
これにはウォーラストンプリズムやロションプリズム、セルナモンプリズムなどがあります。
【光学活性(OPTICAL ACTIVITY)】
これまでは非等方性の媒質についてのお話しでしたが、それに少し関連するものとして光学活性があります。それについて解説していきます。
【二色性(DICHROISM)】
右回りの特別な偏光に対して吸収がある、例えば垂直方向の偏光と水平方向の変更について吸収率が違う場合を二色性といいます。
【液晶】
液晶というものは通常の結晶と実体の中間のようなもので、分子が規則的に並ぶと通常の結晶ですが、それが音の条件によって
並び方が変わります。そのようなものを液晶といいます。

【光ファイバー】
本トピックでは不均質媒質中の光についてお話ししていきます。
光の媒質の方向によって屈折率が異なるということを、非等方的といいますが、今回の不均質ということは、場所によって屈折率が異なるような媒質のことです。
]
【アイコナール(EIKONAL)】
一般的に、屈折率がなだらかに場所によって変わるというような場合に、光はどんな風に進んでいくのかということを、もっと一般的に表すような方程式を次に考えましょう。

【光線の進行方向】
光線の進行方向の式、光線の単位ベクトル、光線方程式についての解説です。
【屈折率分布型光導波路】
屈折率分布型光導波路の中を光がどのように進むのかということについての解説です。

測光と測色 ガウスビームの伝播
【ガウスビームの伝搬】
測光と測色の話に入る前に、スカラー波、Z方向に伝播するスカラー波、ヘルムホルツ方程式と近軸ヘルツホルム方程式を解説しながら、ガウスビームの伝搬についてのお話しをします。
【近軸ヘルムホルツ方程式の解】
ほとんどZ方向に進み、XY方向にはそれ程広がらない場合の解である、近軸ヘルムホルツ方程式の解き方を解説します。

【薄肉レンズを通過するガウスビーム】
前回のトピックでGuoy位相、ビームウェストの前後で2分のπ変化するというところまで解説しました。今回はもう少しビームの性質をうまく表す方法を考えていき、薄肉レンズを透過するような場合のガウスビームについてお話しします。
【行列によるガウスビームの伝搬】
幾何光学の講義の最後の方で、行列を使って光線の伝播の様子を解析するという話を少ししました。それと類似のことで、行列を使うとガウスビームの伝播の様子を体系的に解析することができます。その一例を紹介します。

【測光】
ここからタイトルにもある測光と測色についてのお話に入っていきます。
測光の話に入る前に、覚えておくべきである「角度」と「立体角」についての説明をします。
【立体角】
前トピックで解説した立体角を、極座標形で書くとどうなるのかについて説明します。
【放射量と測光量】
単位面積に当たった光のエネルギーの量や、どのくらい明るく見えるのかということを定量的に解析しなければいけません。このことを「測光」といいます。
実際のエネルギーの大きさで明るさを評価するのか、人間の目で見た時の明るさで評価するのとでは少し違ってきます。
物理的に定義したエネルギーから来る量を「放射量」といい、人間の目の感度を考慮したものを「測光量」といいます。

【放射量と測光量の定義】
ここからの話で複雑になってくるのは色々な量を提示しなければならないということです。放射量と測光量に区別した際の名称、記号、単位について説明します。
【光度、輝度、光束発散度】
個別のいろいろな量についてお話ししていきます。
光度(点光源)、輝度(大きさのある光源に対する光束の強さ)、光束発散度について。

【照度】
点光源の場合の照度の説明です。
【面光源の場合】
ここまでは点光源の場合の説明でしたが、ここからは面光源の場合の説明をします。
【完全拡散光源】
完全拡散光源の微小面積からの輝度は、どの方向から見ても一定であるということと、ランバートの余弦則の説明です。

【コサイン4乗則】
先ほどまでは光源の面と受光の面が、どんな向きをもっていても良かったのですが、今回は完全に平行だということで考えていきます。
【測色】
人間の目を考慮して明るさを決めるという話を前回しましたが、その量のことを心理物理量と言います。純粋な物理量ではなく、心理的な影響を考慮して決めた量を定量的に測ることができます。
人間が感じる色をどのようにして評価するのか、あるいは測定するのかということを「測色」と言います。
【加法混色】
RGBという原刺激を用いた色の表し方、色の決め方のことを加法混色と言います。

【RGB表示色】
三原色(RGB)の大きさR、G、Bを輝度の単位で測定する場合の解説です。
【XYZ表示色】
RGB表色系ではうまくいかないことがあり、少し使いにくいこともあります。
そこで、マイナスにならないような色を基準にしようということになり、XYZ表色系というものが出てきました。

【CIE色度図】
前回トピックでは、XとYを使って表すと全ての色の表示を決めることができるというところまで説明しました。このXとYをグラフにもってきますと、CIE色度図というものになります。
【白色・色温度】
CIE色度図を見た時に分かることで、一番馴染みの深い「白色」と「色温度」についての説明です。

【質疑応答】
Q,人によって見え方が異なることには、目の色が関係しているのでしょうか?それとも網膜が関係しているのでしょうか?
A,私は原因がよくわかっていないので、答えにはなっていないのですが、昔のテレビを例を挙げると、ヨーロッパの人が日本に来てテレビを見ると画面が青いということがありました。逆に我々がヨーロッパに行くと、街全体が赤っぽく見えるような気がします。何となくですが、日本人は緑っぽいものが好きで、ヨーロッパやアメリカの人たちは黄色っぽいものや赤色が好きなだということを聞いたことがあります。
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