目次

レーザー入門教育セミナー

導入編:各種レーザー 媒質による分類

レーザー媒質には物質の状態によりスライドの左から気体・液体・固体・半導体による分類ができます。
気体レーザーは炭酸ガス、貴ガスまたは貴ガスイオン、励起状態で不安定な分子のエキシマ分子があります。
液体レーザーは色素レーザーともよばれ、色素分子をアルコール系溶媒で溶かした媒質、固体レーザーでは希土類イオンが添加された結晶やガラスがあります。
半導体レーザーは物質の状態では固体に分類されますが、レーザー発振がnp接合面でなされ、メカニズムが異なるため、一般的には固体レーザーと区別されています。

導入編:レーザーの用途

今回はレーザーの用途として、光ファイバー、ブルーレイ機器、空中ディスプレイ、ライダー、光格子時計の5つご紹介しました。
レーザー用途のほんの一部ですが、レーザーは情報伝送、情報記録・再生、情報入力、光センサ、重力測定器など身近なものから、研究開発中のものに至るまで様々な製品、研究分野に活用されています。

01 レーザーとは:レーザーの特徴1〜4

レーザーとは輻射の誘導放出による光の増幅という意味になります
LASERはLight Amplification Stimulate Emission Radiationの略です。
レーザー光は人工的な光で、レーザー発振器によって作ることができます。
レーザー光には単色性、指向性、可干渉性、制御性の主に4つの特徴を持ちます。

01 レーザーとは:レーザーの特徴1〜4

02 レーザーとは:発振動作とパラメーター

レーザーには発振動作の違いで連続波CWとパルス波の2つに分けられます。
CWレーザーのパラメーターには平均出力、パルスレーザーのパラメーターにはパルス出力の他、パルス幅、繰り返し周波数・パルス間隔、パルスエネルギーがあります。

02 レーザーとは:発振動作とパラメーター

03 レーザーの基礎原理:パラメーター準位_光の吸収と放出

原子の中には、電子が存在しており光と相互作用することがあります。
通常、原子は最も安定な基底状態で存在していますが、エネルギーを受けると、励起状態になります。
物質の状態はエネルギー準位図で比較することができ、吸収・自然放出・誘導放出などはエネルギー準位図で表現することができます。

03 レーザーの基礎原理:パラメーター準位_光の吸収と放出

04 レーザーの基礎原理:利得と反転分布

光の増幅が起こる、利得ガンマは誘導放出断面積シグマと励起状態と基底状態の原子分布密度で表されます。
また利得がプラスの値になるためには、基底状態より励起状態の原子が多い反転分布の状態にする必要があります。

04 レーザーの基礎原理:利得と反転分布

05 レーザーの基礎原理:3準位系と4準位系

反転分布は基底状態より励起状態の原子の数が多くなる状態でできるものです。
しかし2準位系では吸収と誘導放出が同じ確立で起こるようになるため、反転分布ができません。
そのためレーザーには3準位系、4準位系のエネルギー準位を考える必要があります。準位系は3つのエネルギー準位、4準位系は4つのエネルギー準位があります。このとき、レーザー発振に寄与する誘導放出の遷移はレーザー遷移と呼ばれます。3準位系と4準位系は励起状態の原子分布が基底状態より上回る反転分布が実現します。

05 レーザーの基礎原理:3準位系と4準位系

06 レーザーの基礎原理:スぺクトル線の広がり

レーザーの基礎よりレーザーの基礎原理 スペクトル線の広がりについて解説します。
吸収や放出等のスペクトル線にはピークの幅があります。スペクトルの広がりを表すのに、FWHM:半値全幅があります。
スペクトル線の広がりには均一広がりと不均一広がりがあります。
均一広がりには自然広がり、シュタルク広がり、衝突広がり、不均一広がりには格子欠陥や電磁場不均一による広がり、ドップラー広がりなどがあります。

06 レーザーの基礎原理:スぺクトル線の広がり

07 レーザーの発振特性:概論

レーザーの基礎 レーザーの発振特性 共振とレーザー発振と題して解説します。
レーザー発振器は、励起源、レーザー媒質、光共振器で構成されています。
励起源からのエネルギーを吸収したレーザー媒質は、反転分布を形成して誘導放出され、光共振器によって光の強度を高めます。
光は電磁波であり、エネルギーの粒としての粒子性とエネルギーの波としての波動性を持ち、レーザー光の共振・発振には定在波を作り出し維持することが必要となります。

07 レーザーの発振特性:概論

08 レーザーの発振特性:共振条件

レーザーの基礎 レーザーの発振特性 共振条件と題してお話しします。
レーザーの光の強度が高くなるためには、光共振器内の2枚の鏡の間で閉じ込められた反射光の位相差をなくして位相を一致させ、振幅を大きくする必要があります。
波の山どうし谷どうしが重なり位相が一致すると、●定在波または定常波という特殊な波が発生します。

今回は共振条件を深掘りし、この定在波を作り出す条件についてお話しします。
器内でレーザー光を強度を強める共振条件は、kを伝搬定数、Δkを波数変化、エルを共振器内の長さ、mを1から続く任意の数とすると、2(k+Δk)エル=2πmの関係式を満たす場合です。
このときの光は定在波として存在しており、振動数ニューmを中心とした縦モードと呼ばれるスペクトルとなります。

08 レーザーの発振特性:共振条件

09 レーザーの発振特性:発振条件

レーザーの基礎 レーザーの発振特性 共振条件と題してお話しします。
レーザー発振器は、励起源、レーザー媒質、光共振器で構成されており、光共振器は全反射ミラーと出力ミラーという2種類の鏡の間で、光は共振され増幅されます。
そして増幅された光は、出力ミラーから一部、透過した光が出力されます、これをレーザー発振といいます。
今回はレーザー光の発振条件とは何かについてお話しします。

レーザー光の発振条件は、透過する光を補うようにレーザー内部で光を増幅する必要があり、損失と利得が釣り合う状態です。
全反射ミラーと出力ミラーの電界に対する反射率をそれぞれr1、r2、利得ガンマ、光の吸収係数α、共振器長さをエルとしたとき

r1,r2、exp(ガンマーα)エル=1

で表されます。
そしてこれを満たすときの利得をレーザー発振しきい値における利得係数といい、一部の限定されたモードで発振できます。

09 レーザーの発振特性:発振条件

10 レーザーの発振特性:励起の強さと利得の変化

レーザーの基礎 レーザーの発振特性 励起の強さと利得の変化について解説します。
利得とは、増幅率あるいはゲインともいい、増幅の能力を表すレーザーにおける重要なパラメータです。
利得は増幅器への入射光の強度に対する、出力光の強度の比として一般的に表されます。

レーザー光における光の強度の増幅は、光の誘導放出によるもので、その利得は誘導放出断面積シグマ、基底状態と励起状態それぞれの原子分布密度差に関係します。
ここで、N2とは励起状態の原子の数、N1は基底状態の原子分布密度、それぞれの原子の数に相当します。
もし基底状態の原子数の方が、励起状態の原子数よりも多い場合、利得はマイナスの値となってしまい、増幅はしません。
誘導放出による光の増幅は、γがプラスの値となる、つまり基底状態より励起状態の原子の数が上回っている必要があります。
しかし、これまで増幅器内または共振器内の光の強さが利得とどのような影響を与えるかは語られていませんでした。
励起の強さや光の強さとの関係はどのようになっているか?
レーザー発振において、共振器内の光の強度は、利得によってどんどん強くなっていくのでしょうか?
これを理解するためには、光の強度について改めて考えていきたいと思います。

10 レーザーの発振特性:励起の強さと利得の変化

11 レーザーの発振特性:レーザー発振閾値とスロープ効率

この動画は、レーザーの基礎 レーザーの発振特性 レーザー発振閾値とスロープ効率について解説します。

レーザー特性を考察するには7つのパラメータ:モード体積、レーザー光断面積、励起光吸収効率、励起量子効率、原子量子効率、結合効率、モードマッチング効率があります。
また、出力パワーは、レーザー発振器内の励起パワーに比例し、その傾きはスロープ効率となります。

11 レーザーの発振特性:レーザー発振閾値とスロープ効率

12 レーザーの発振特性:発振スペクトル

レーザーの基礎 レーザーの発振特性 発振スペクトルについて解説します。

スペクトルとは、波の波長や周波数に対する応答や反応する強度を記録したものです。
吸収や放出等のスペクトル線にはピークの幅があり、スペクトル線の広がりには均一広がりと不均一広がりがあります。
均一広がりでは、単一の周波数で発振する単一モード発振となり、不均一広がりでは、ホールバーニング減少により、複数のモードでの発振となります。

レーザー媒質では光の吸収や放出等が行なわれているため、光の周波数に対する利得にもスペクトルとして現れます。
これを利得曲線または利得スペクトルといいます。

12 レーザーの発振特性:発振スペクトル

13 レーザーの発振特性:パルスレーザー

レーザーの基礎 レーザーの発振特性 パルスレーザーと題してお送りします。
レーザーの発振の仕方は大きく分けて連続波発振(CW:Continuous Wave Operation)とパルス発振の2つがあり、それぞれCWレーザー、パルスレーザーとよびます。
連続波発振はレーザーが連続的に発振し、パルス発振はレーザーが断続的に発振するものです。
これについては、レーザー基礎:発振動作とパラメーターの動画でもお話しした内容です。
パルス発振では、レーザー光を断続的に出力している時間のパルス幅を持ち、直接変調法、外部変調法、Qスイッチ法およびモード同期法またはモードロック法に分けることができます。

各発振法のパルス幅は、マイクロ秒、ナノ秒、ピコ秒、フェムト秒と時間スケールが異なります。
最先端のパルスレーザーでは、特にピコ秒、フェムト秒レーザーでの時間スケールは、私たちが想像を超えるほどに短い一瞬の時間です。
パルス幅の間隔がどれほど短いかをイメージするために、ここで時間をさかのぼる旅に出てみたいと思います。

13 レーザーの発振特性:パルスレーザー

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