チャープパルス増幅(CPA)の原理
レーザーピーク出力を飛躍的に向上させるCPA
エキシマレーザーや色素レーザーのように上準位寿命が短く飽和フルーエンスの小さなレーザーでは、ピーク出力エネルギーは低く、自己収束などの非線形効果は起きない。しかし、固体レーザー のように飽和フルーエンスの大きなレーザーでは、パルスエネルギーを増加していくと光学媒質の破壊(光学的破壊閾値強度は、約10 GW/cm2)によりパルスのピーク出力が制限される。CPA方式はこの問題を解決することができ、レーザーピーク出力を飛躍的に向上させた。
CPAの構成
CPAレーザーシステムでは、超短パルスレーザー発振器(モード同期レーザー発振器)の次に、パルス拡張器(パルスストレッチャー)が用いられる。パルス幅の拡張(パルスストレッチ)には通常、バルク型の回折格子対やファイバーが用いられる。
バルク型CPAレーザーシステムの構成を下図に示す。
発振器から発生した超短パルス光に、波長に依存した光路差を与える等をしてチャープを与え、パルス幅を拡張させてパルスのピーク強度を抑える。チャープを生じさせるものとしては、伝搬媒質により生じる媒質分散、幾何学的な光路差により生じる角度分散や自己位相変調などの非線形過程により生じる分散など様々であり、分散量はGVD として定義される。
パルスストレッチャーには通常、ファイバー及び回折格子対等が用いられ、発振器で発生した超短パルス幅は103~105 倍にストレッチされる。
パルスエネルギー増幅過程
増幅器により、パルスのピーク強度が増幅媒質の光学的破壊閾値強度を越えない程度にパルスエネルギーを増幅させる。
パルス圧縮過程
最後に、パルスストレッチャーとは逆の符号のGVD を与えパルス圧縮を行う。パルス圧縮器(パルスコンプレッサー)には主に回折格子対が用いられ、理論的にはストレッチする前の元のパルス幅まで圧縮される。 参考までに回折格子対の構成図を下図に示す(プリズムペアでのパルス圧縮)。

このようにチャープという状態を制御しながら増幅させる方式がCPA方式である。また、このCPAレーザーシステムをファイバーで構成したものをファイバーCPAレーザーシステムと呼ぶ。
レーザー探しの無料代行も致します。発振器の分類や波長やパルス幅などの仕様と合わせてお気軽にご相談下さい。









