ファイバーブラッググレーティング ( FBG ) の原理
ファイバーブラッググレーティング(Fiber Bragg Grating:FBG) とは光ファイバーのコアの屈折率に周期的な屈折率変化が形成されているファイバー型デバイスである。 屈折率変化はグレーティング(回折格子) として働き、グレーティングの周期が作るブラッグ反射条件を満たす波長の光のみを反射させることができる。グレーティングを光ファイバー中に非破壊的に形成できるため、低損失・小型・高信頼性・伝送用光ファイバーとの高い整合性など多くの利点を有してる。図1 にFBG の構造を示す。

図1.ファイバーブラッググレーティング(FBG)の形成法
(a)位相マスク法によるFBG作製の様子、(b) FBGの波長選択の様子
ファブリ・ペロー型ファイバーレーザーは図2(a) のようにレンズとミラー(空間素子) で帰還させるタイプと、(b) のようにFBG で帰還させるタイプがある。

図1.ファイバーブラッググレーティング(FBG)の形成法
(a)位相マスク法によるFBG作製の様子、(b) FBGの波長選択の様子
FBG の場合は通常、利得ファイバーと同じコア/クラッド径をもつパッシブファイバーを用いるため、ファイバーレーザーの高出力化にも対応できる(~800W まで対応できるものが市販されている)。ミラーもFBG も1kW 以上の出力を得ることはできるが、FBG は反射帯域を極めて狭い線幅(~0.1nm)とすることもできる。
FBGの構造
FBG におけるグレーティングの周期をΛ,光ファイバーの伝搬モードの実効屈折率をneffとしたとき,反射波長λB(ブラッグ波長) は次式で表される。
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上式よりΛ を変えることで反射波長を任意に設定できることが分かる。ここで、実効屈折率neffはコアの屈折率ncoreと屈折率増加量Δn を用いて次式で表される。

また、ブラッグ波長λBにおける反射率RBと反射帯域幅ΔλBはグレーティング長L と屈折率増加率Δn により次式で表される

ηは伝搬光エネルギーのうち、コア中に含まれている伝搬光の割合である。グレーティング長L あるいは屈折率増加量Δn が大きいほど反射率の高い(~99%) グレーティングを得ることができる。FBG はファイバーレーザーの帰還素子、レーザーの波長選択や波長安定化に用いられるが、主な用途はファイバーセンサーである。FBG はひずみ量や温度変化に比例して波長がシフトするため、複雑な構造物の歪みや温度変化などを計測できる。なお、ファイバーレーザー用のFBG は温度補償パッケージに組み込まれることで、波長安定性を実現している。
参考文献
- [1]源地武士, 中井忠彦, 今村一雄, 三菱電線工業時報, 96, 49 (2000).
- [2]水波徹, 応用物理 67, 1029 (1993).
- [3]麦野明, 入江雄一郎, 古河電工時報, 105, 24 (2000).
- [4]中居道弘, 関口利貞, 瀬木武, 岡本和也, 和田朗, フジクラ技法, 96, 1 (1999).
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