ファイバーレーザー8つの長所

  1. 小型軽量
  2. メンテナンスが容易・優れた長期安定性
  3. 高利得
  4. 広利得幅
  5. 高効率
  6. 優れたビーム品質
  7. 高出力化が容易
  8. 長距離伝搬可能

1. 小型軽量

ファイバーは巻くことができるため小型軽量化が可能。またレーザーヘッドが小さいためフレキシブルなシステムアップが可能。これにより以下のメリットがある。

  1. 装置導入費用を安く抑えることができる。
  2. 配置場所の決定が柔軟
  3. 移動・移設が容易

2. メンテナンス不要・優れた長期安定性

ファイバーレーザーは空冷でOK

バルク型固体レーザーでは高出力化に伴い、励起光吸収による熱レンズ効果や熱複屈折効果といった熱効果が顕著となるため、ビーム品質が大幅に低下する。このため、バルク型固体レーザーを開発する場合は冷却方法を慎重に設計しなければいけない。一方、ファイバーレーザーの冷却方法は空冷でよい。これはファイバーの[表面積/体積]比がバルク型固体レーザーに比べ4桁以上大く、放熱性に優れているためである。

メンテナンスの必要なし

自由空間光学系を含まない全ファイバ型ファイバーレーザーでは空間光学素子がない。このため、ファイバーレーザのビーム品質は、ミラーやレンズ等への塵埃付着、周囲環境による熱的・機械的影響による光軸ずれに影響されることなく、レーザーの寿命まで変化しない。

3. 高利得

ファイバーでは単位長さあたりの利得が小さくても相互作用長が長いため十分な総合利得が得られる。

4. 広利得幅

ファイバーレーザーは、利得媒質としてコアに希土類(RE:Rare Earth)イオンを添加した希土類添加ファイバーが主に用いられる。希土類添加シリカガラスファイバーは、複雑な結晶場の影響を受けて微細構造のない幅広い準位を示すため、YAG結晶に比べて広帯域な光増幅が可能である。

5. 高効率

ファイバー中に励起光を閉じ込めることができるため、高効率励起が可能である。

6. 優れたビーム品質

小さな集光径

ファイバーレーザーから出射するレーザーのNAが小さい(~0.6)ため、集光径を小さくすることが容易である。これにより、出力の高パワー密度化と高分解能な加工が可能となる。また、マーキング装置に実装する際に、小さなガルバノミラーが使用できるので、装置全体の低価格化・高速化が可能となる。

焦点深度が深い

ファイバーレーザーはCO2レーザーと比較して、発振波長が短くビーム品質が優れているため、焦点深度(集光される距離)が長い。

  1. 集光用レンズを物体から離して加工が可能(加工中の熱・飛散物の影響が小さい)
  2. 加工物表面の不均一性に敏感でない(印刷応用のメリット)

ビームが空間的に揺らがない

ファイバーレーザーの伝搬モードはファイバー導波路により制御されるため、熱によるビーム品質の劣化がほとんどなく、高輝度・高効率動作が可能。また、光ファイバーからレーザーが出るため、ビームが空間的に揺らがないという特徴もある。

横モードの規制が可能

ファイバーレーザーの構成にシングルモードファイバーを入れることで、ほぼ完全に横モードの規制が可能となる。

7. 高出力化が容易

モジュールの並列接続で出力を増加させることができるため、容易に出力向上が可能。50kW級の超高出力ファイバーレーザー(コア径100 μm のファイバー伝送)も既に実用化されている。

IPG社のレーザーシステムは、300W出力のシングルモードファイバーレーザーを並列モジュール接続し、ビーム結合することにより20 kW出力を達成している。

8. 長距離伝搬可能

ファイバーレーザーの発振波長帯では伝送用ファイバーの吸収が小さく、かつファイバーレーザーから射出したビームは伝送用ファイバーとの結合率が高い。そのためファイバーレーザー本体と加工対象物との距離が離れていても、直接ファイバーで加工対象近くまで伝送することができる。